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『怒り』より
――3人の男の写真について、東京、千葉、沖縄編でそれぞれ写真を変えているとか。
李:はい。疑念は、自分に対する自信のなさが出発点だと思うんですよ。自分の心の中にある隙間によって、冷静によく見たら違うはずなのに、どんどん分からなくなってしまう。一度疑念が芽生えると、その人の中ではそれが事実として確立してしまう。その心境をどう映像として具体化できるかを考え、3人の要素をそれぞれの場所で微細に使い分けることにしました。
――編集の段階で変更になった部分、より強く打ち出された部分はありますか?
李:犯人が発覚する一連のクライマックスですね。脚本では、細かいテンポで三カ所が織交ざり緊張感が高まっていきます。そこを編集で、犯人を明かす直前から一つのエピソードを切り離し、ラストのシークエンスへと繋げました。そうすることで、この物語が犯人解明で終わるのではなく、その先に伝えるべきことを明確に提示できたかと思います。

『怒り』より
<TEXT&PHOTO/望月ふみ>
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『怒り』は全国東宝系にて9月17日より公開
配給:東宝
(C) 2016映画「怒り」製作委員会
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。
@mochi_fumi