ほかにも、「こんなことにまで参加しなければいけないの?」と佐藤さんをビックリさせた誘いは、数え上げればキリがありません。

写真はイメージです。
「たとえば、夫のハトコにあたる娘さんが大学で吹奏楽部だか音楽サークルだかに所属していて、イベントホールの落成式で演奏することになったから見に行こうとか。義母のイトコが出展している絵手紙の作品展を見に行こうとか。
限りなくどーでもいいですよね……。毎回、退屈で退屈で胃が痛くなります。
眠くなるのを通り越して胃が痛くなるんですよ、本当に」
当初は「これは行かなくていいだろう」という誘いは適当に嘘をついて断っていたそうですが、何の用事があるのか突っ込んで聞かれるため嘘をつくのも疲れ、現在は大半の誘いにやむなく参加しているとか。
「『友人と会う』などと言うと、『ウチの親戚より友人のほうが大事なのか』とか『ウチの息子の稼ぎで遊んでばかりいる』とか思われそうですしね。
それに、断ったら断ったで、『○日なら行ける?』とか『じゃあ来月にコレがあるから行ける?』とかしつこくて。もう心を殺してとことん付き合うことにしました」
やっかいなのは、義両親も親戚も決して悪い人ではないということ。“親戚なんだから仲良くしよう!”という善意で誘っているのがわかるので夫にも文句が言いにくく、ストレスのはけ口がないと話します。
「『今度はこんなのに誘われちゃった~。親戚付き合い多いよね』みたいな感じで軽く愚痴ると、『面倒だったら行かなくていいよ』とは言ってくれるのですが、私の代わりに断ってくれるわけじゃないですからね」

写真はイメージです。
実は佐藤さんは4か月前に出産をしたばかり。さすがに出産前は身体を気遣ってか誘いがなくなり、快適に過ごすことができたそうですが……。
「問題は産後です。顔を見たこともない親戚からも出産祝いが届き、たくさんお礼の電話をかけねばならず、気疲れして産後の体にこたえました。床上げしてからは想像通りイトコやらハトコやらまでお祝いにやってきて、また気疲れ……。
子どもが生まれると行事やイベントが増えるので、また親戚付き合いが増えるどころか今度はこちらが接待しなければいけないのかと思うと、いまから憂鬱です。
私は専業主婦なのでたくさん誘われる面もあると思うので、
煩わしい親戚付き合いを絶対に避けたい人は結婚しても仕事を続けるべきですね。仕事は付き合いを円満に避ける武器になりますから」
<TEXT/丸本綾乃>
―シリーズ結婚の誤算【4】―