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藤原竜也の叫び芸!『リバース』は殺しのドラマなのに笑える

他のキャストも押さえた演技が逆に怖い

 全員が何かしらのヒミツや想いを隠している…。それがためか、登場人物のすべてが、これまで自分たちがその役者に持っているイメージよりはるかに静かな演技をしています。
 特に、同級生の4人(玉森裕太、市原隼人、三浦貴大と藤原竜也)は、広沢の死に関して、何となく黙っていた「飲酒」の事実がずっと引っかかっていました。  また、主人公・深瀬の唯一の憩いの場であるコーヒーショップで出会った彼女・美穂子も何かありそうな古傷を持っていたり、広沢の母・昌子(片平なぎさ)も冷静を装っていながらどこか放心しているような形相…と、いつフラストレーションが溢れてもおかしくないギリギリさが伝わってきます。全員が全員、コップいっぱいの水の状態を感じるのです。  そんな全員の闇がじわじわ視聴者に押し寄せてくる、原作読者じゃなくても湊かなえ特有のイヤミス(読んだ後に「イヤ」な気分になる後味の悪い「ミステリー」)な雰囲気が伝わってきますね。しかし、彼らをしつこくかき回す小笠原(武田鉄矢)だけは、金八先生以来のいつもながらの武田鉄矢の演技で不協和音をかましてくれます。  演者たちが一丸となって、不穏な空気を醸し出す作品を作っているのが、このドラマにハマる理由かもしれません。 <TEXT/タケダマコ>
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