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綾野剛「フランケンシュタインの恋」とジョニー・デップ「シザーハンズ」を比べてみた

主人公は人間を傷つけてしまう悲しい異形の者

 深志研は、森で植物とともに生活していました。キノコが大好物で、自身の身体にも珍しい菌が作用しているようです。起きると寝床にキノコが生えています。自給自足できますね!
 ずっと独りぼっちで生きてきたので、人間については知りません。町へ来てからは、もっと人間について、津軽さん(二階堂ふみ)についてを、知りたくなり、少しずつ人間のことを学んでいきます。  大好きな津軽さんを傷つけたりする者がいると、感情が爆発して身体から菌が発生します。非常に危険度が高い菌のようですが、これがために人を傷つけてしまうかもしれません。
シザーハンズ

シザーハンズ スチールブック仕様 (2,400セット完全数量限定生産)20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

 エドワードは、発明家の博士が作った人造人間です。手だけ未完成のまま博士は亡くなってしまいました。  そこから広い屋敷に独りぼっちで暮らします。手がハサミなので、日常的なことは難しいですが、植木やヘアカットなどが得意です。その特技を活かし、町では人気者になります。  しかし、それもつかの間、エドワードは泥棒事件の巻き添えを食らい、町中の反応が一気に変わってしまします。誤解されているまま、彼はヒロイン・キムの手を傷つけてしまい…という流れです。愛する者へ触れると傷つけてしまうのはしんどいですね。  『シザーハンズ』では、好きな人に触れようとすると傷つけてしまう(なんせ手がハサミ=刃物なので)悲しいサガが描かれていましたが、これは普通の人間同士でも、心を通わせようとしても、言葉で相手を傷つけてしまったりすることの比喩(ひゆ)なのではないでしょうか。  “フラ恋”では、怪物の父(斎藤工)が「(森の木は)名前なんかなくても、人間と触れ合わずとも、ここで幸せに生きている」  稲庭(柳楽優弥)が「誰かと一緒に生きることはもう人間の罰みたいなものですから」  と言っていました。これらのセリフからすると、ドラマでも『シザーハンズ』と同じく、人間と触れ合って一緒に生きていくことの難しさを描こうとしていると思われます。

ほっこり見られる“フラ恋”/ビターな『シザーハンズ』

 稲庭(柳楽優弥)は、深志がお世話になっている工務店の息子であり、継実の大学の先輩で、基本的には面倒見がよく、優しくていい人です。ただ、彼は継実のことを想っているため、心の底では深志へ嫉妬心もあるはずです。
 ただ、このドラマは基本的に嫌な人がいないので、きっと恋心ゆえの嫉妬はあっても、振る舞いもイケメンであってくれるでしょう。
シザーハンズ

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 さて、『シザーハンズ』でのライバルはジムなのですが、本当にいけ好かないヤツです。ヒロインはなんでこんな男と付き合っていたんだろうと思うほどです。この男のせいで、エドワードの良心は裏目に出てしまいます。
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 雰囲気こそは似ているかもしれませんが、“フラ恋”の方は、ヒロインも優しくてピュアだったり、恋のライバルもいい人だったり、「シザーハンズ」のように町の人たちが集団ヒステリー的なものを今のところ起こしてないので、ほっこりしながら鑑賞できます。  久々に「シザーハンズ」を見た感想は、大人になると物語上でも悲しい出来事を目の当たりにすると色々辛くなっちゃいますね。ところで、この映画の後に、ジョニー・デップとウィノナ・ライダーは交際をしましたが、出演者が本当に恋に落ちちゃうストーリーって素敵ですよね。“フラ恋”にも期待しちゃう…!? <TEXT/タケダマコ>
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