――川のシーンが印象的でした。
斎藤:あの川は、たぶん天の川。織姫と彦星なんです、ふたりは。会える時間が限られている。そして、いろんなことがリンクして、最後のシーンに全部集約されていると思うんです。この映画の全部を紗和がひとりで背負っている。あのシーンだけ独立したものとして観ても、素晴らしいなと思いました。

『昼顔』より
――完成版を、上戸さんは北野先生の妻役を演じた伊藤歩さんと一緒に観たそうですね。
上戸:そうそうそう。工くんが、北野先生が、走っている姿を見てふたりで笑ってたっていう(笑)。
斎藤:ありがとうございます。
上戸:計算通りだよね。
斎藤:計算通りなんだけど、意外と普段もああいう走り方。
上戸:そうなの!?
斎藤:うん、そんなに遠くない。
上戸:役作りかと思った。
斎藤:役作りもあるんですけど、僕、そうなんです。

『昼顔』より
上戸:あの走り方、北野先生っぽいよ。
斎藤:ファッションもそうなんだけどね。インしてたり。
――斎藤さんは北野先生と似てるんですか?
斎藤:そうですね。遠い人だとは思ってないです。
――雰囲気的に、空気的に?
斎藤:そうですね。
上戸:工くんが演じるからこそ、北野先生がああなったんだと思います。だから北野先生の人気が出て愛されるのも、工くんらしさがすごく入っていると思う。

『昼顔』より