
昔と比べて、不妊症の夫婦が増えてきている背景にいわゆる現代病も関係あるようです。
現代病のひとつに「ストレス」ということがありますが、それって不妊の原因になることってあるんですか?
山中先生「ストレスというのは、身体に何か影響がある事が生じた時に起こる防御反応でもあるので、すべてが悪いということではありません。ただ、それが過度に生じた場合には、ホルモンバランスなどに悪影響を与えることはあります。
例えば、海外に行ったりすると生理が止まったりする人もいますよね。これは、その人にとって慣れない環境がストレスを生み出して、ホルモンバランスを乱してしまったといえます。それと同様に、今は多くの女性が働くのが当たり前になりましたが、過度な仕事や睡眠不足などがストレスとなって、生理不順を引き起こしてしまうことはあります。」
他に何か現代病に関係するようなことはありますか?
山中先生「大気汚染によってダイオキシンのような化学物質が増え、それが体内に入ることによって、ホルモン分泌を乱しているという意見もあります。環境ホルモンとか内分泌かく乱物質などと呼ばれていますね。」

昔と比べると、グルテンフリーの食べ物などアレルギーについての関心が高まっているように思いますが、そういうアレルギーなども不妊症に関係がありますか?
山中先生「花粉症やハウスダスト、あと蕎麦や小麦粉など、よく知られているアレルギーもありますが、それ以外にもアレルギーの原因になるものはたくさんあります。そういった慢性的なアレルギーや炎症反応が続いている状態は、それがダイレクトに不妊症につながるとは言い切れませんが、妊娠には適した状態とはいえないと思います。」
なるほど、妊娠しやすい身体作りには、ストレスフリーの健康的な生活が理想的なんですね……って都会で働いているとそういうワケにはいかないですが。

ところで恋愛やセックスをすると女性ホルモンが活発になるなんて俗には言いますが……!?
山中先生「恋愛的な要素がどこまで女性ホルモンに関わってくるかは分かりませんが、セックスをすると女性ホルモンが出るという説を唱える人もいますね(※)。さらに射精された精子の成分には排卵を引き起こすための、ホルモンを誘導する作用があるとも私は読んだことがあります(※)。」
(※セックスと女性ホルモンの関係、射精された精子の成分と排卵のためのホルモン誘導作用には諸説あるようです。)
なるほど、男が女を求めるように、精子は卵子を求めているのですね(笑)。
山中先生「あと性的な興奮が高い時の方が、そうでない時よりも精子数が増えるというデータがあります。俗な話で、不倫した時に限って妊娠しやすいというような話を聞いたことがありますが、その科学的根拠になるのかは私には分かりません(笑)。」
男性は、窮地に立たされると本能的に、子孫を残す機能が高くなるって言いますもんね。