知らないおっさんたちの演歌ばかりのカラオケ合戦に…
「心を込めた熱唱にちょっと涙ぐんでいると、彼の取引先のテーブルから怒鳴り声が飛んできたんです。『そんな小娘に歌わせるなら、俺らにも歌わせろ!』みたいな……。そういえば彼の方では歌ってる人はいなかったなぁと思ったのですが、それは、あえて義父母がストップかけてたらしいんですよ」
それこそ「●●が歌うなら××を歌わせないわけには」となることを恐れ、彼の方では、あえて「うちの披露宴ではカラオケなしなんですよ~」と事前に吹聴し、スピーチのみということで収めたのだとか。
それなのに嫁側が歌を披露するなんて……と、新郎側からの不満が爆発! 新郎側の招待客たちによるカラオケ合戦が始まってしまったそうです。
「しかも演歌ばっかり。いや、結婚にまつわるものならまだいいですけど、『きよしのズンドコ節』とか結婚式で歌うものじゃないだろうと。
もうずーっと張り付いた笑顔で手拍子してましたよ。横を見たら彼も目が死んでしましたね。知らないおっさんたちの歌声を聞きながら、早く時間よ過ぎろとばかり考えていました」
結局、披露宴は3時間の予定が1時間以上もオーバー。両親への花束贈呈や、その後に控えていた友達だけで行うはずだった二次会もキャンセルに。
義父母からは「空気が読めない嫁だ」となじられ、責任を感じた結子さんの友達とは疎遠に……さんざんな結婚式となってしまいました。
「『結婚式は新郎新婦のためにあるものではない』まさに私たちの結婚式は、知らないおっさんたちの宴会のためにあったようなものだと思ってます。
後悔するとしたら、挨拶回りが大変になろうとも結婚式を阻止しなかった自分の弱さに対してですね。こうなると判ってたら、全身全霊で拒否したのに!」
―闇系結婚式エピソード― vol.1
<TEXT/もちづき千代子 イラスト/鈴木詩子>
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フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:
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