一番痛くない脱毛は?“抜く”と“剃る”どっちがマシ?高須克弥院長に聞く
すさまじい猛暑になると予想されている今年の夏。毎年この季節になると気になるのが、ムダ毛問題です。
どんなに可愛い水着もノースリーブも、ムダ毛がチラ見えしていたら、台無し。意外と誤解が多い「ムダ毛処理の鉄則」を、美容外科・高須クリニックの高須克弥院長に聞きました。教えて、かっちゃん!

「ムダ毛処理」とひと口に言っても、脱毛サロンに医療レーザー脱毛、「剃る」「抜く」などの自己処理まで、方法はさまざま。
まず、サロン脱毛と医療レーザー脱毛は何が違うんでしょうか?
「全然別ものですよ。使うマシンも違う。
医療レーザー脱毛は、レーザーを当てて毛根にダメージを与えて、生えてこないようにする『永久脱毛』(※編集部注:永久脱毛とは、<最終脱毛から1カ月後の毛の再生率が20%以下であること>と定義づけられている)。これは医療行為だから、やっていいのは医師や看護師だけです。
一方でエステやサロンは医療行為をしてはいけないから、生えてこないほどの効果を出してはいけない。もし、エステティシャンが永久脱毛を施術したら、医師法違反で逮捕されちゃうよ。
だから、脱毛サロンはレーザーより弱い光を当てて、脱毛してもまた生えてくる。生えてくるから、当局から大目に見てもらえているんです」(高須院長、以下同じ)
いまだに「サロンで永久脱毛してきた」と言う芸能人とかがいますが、間違いなんですね…。
「少ない回数で、いちばんラクに脱毛できるのは医療レーザー脱毛でしょう。
エステやサロンも悪くはないんですけど、“永久脱毛のつもり”で行くのは間違い。安いから何度でも行く、というならいいけどね」
ちなみに、いま医療レーザー脱毛機で最先端なのは、高須クリニックにも導入されている「メディオスターNeXT」(ドイツのエスクレピオン社製)。毛根より浅い「バルジ領域=毛を生やせという命令を出す部分」にレーザーを当てます。かつて女子SPA!でも体験してみましたが、浅い部分への照射だから、ほとんど痛くなくて驚きました。

では、「毛抜きで抜く」「カミソリで剃る」といった自己処理はどうなのでしょう?
「剃るのはともかく、抜くのはおすすめできないね。毛を引っこ抜くと、肌に傷がつきます。特に、脇の下は汗をかきやすくて、もともと雑菌が繁殖しやすい場所です。傷から雑菌が入って、化膿するなどのリスクも考えられる。僕だったら、怖くて抜けないね」
ムダ毛をせっせと抜くぐらいなら、剃るほうがマシ?
「うん。剃るなら、抜くほどには肌を傷めないし、手軽でいいんじゃないですか。お金もかからないしね。ただ、問題はすぐ毛が生えてきちゃうので、しょっちゅう剃らなくちゃいけない。しかも、剃ると毛が濃くなったように見えるという難点もある。
でも、実際には濃くなってないの。毛というのは先に行くほど細くなるけど、剃ると根もと近くで毛がカットされる。“切り株”のようなイメージです。それがそのまま伸びてくるので、ジョリジョリしてさわりごこちも良くないし、濃く見えてしまう」
では、テレビショッピングなどでよく見る、家庭用光脱毛マシンはどうなんでしょう?
「家庭用として売ってる以上、間違いなくムダ毛はまた生えてきます。エステと同じで、永久脱毛できちゃったら法律違反になっちゃう」
数日間ムダ毛がなくなればいいなら、剃るなど自己処理でOK。それより長く持つ脱毛ならエステ、ほぼ永久脱毛したいなら医療レーザー脱毛ということですね。

もし、医療レーザー脱毛をやるとしたら、最適な時期は?
「“日焼けする前”だね。医療レーザー脱毛って、黒い部分に反応するようにできてるから、海やプールでこんがり肌を焼いた後だと、毛だけじゃなくて、肌にも反応してしまう恐れがあります。梅雨で天気が悪い時期なんて、脱毛にぴったりの季節だよ」
これから急いで脱毛したい人は、くれぐれもその前に日焼けしませんように。
<TEXT/島影真奈美>
【高須克弥氏・プロフィール】
1945年生まれ、医学博士。高須クリニック院長で美容外科の第一人者。最新の美容技術を、自ら試して普及することでも有名。著書多数、近著は『ダーリンは70歳 高須帝国の逆襲』(Kindle版)、『ダーリンは71歳 高須帝国より愛をこめて』
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高須克弥
【プロフィール】
1945年生まれ、医学博士。高須クリニック院長で美容外科の第一人者。最新の美容技術を、自ら試して普及することでも有名。近著は『ダーリンは71歳 高須帝国より愛をこめて』、『炎上上等』、続編で最新刊の『大炎上』など