――今ドキの若い世代は滝野さんには、どう見えていますか?
滝野:テレビなどを見ていると、今の若い子は海外旅行もしないし、留学もしない、運転免許もとらないそうですね。中国人は世界各地へ留学して出て来ているのに、日本人は小さな島の中に入り込んじゃって、この国は滅びちゃうんじゃないかしらと心配になります。
確かに景気はよくはないし、テレビをつければ先々、不安になるニュースばかり。でも、「男はかくあるべき」「女はかくあるべき」「家を守って」といった古くさい規範はなくなっていて、その意味では決して悪いだけの社会じゃないと思うんです。世をはかなんで、今から老後の心配をするのはもったいないですよ。
ジャパンポンポンの練習風景。かなりの体育会系
――でも、おひとりさまの老後とかを考えると心配になります。
滝野:私も、おひとりさま(笑)。
家出した身なので、結婚はいいものだ! と言いにくいところもあるけれど、今、未婚の人が増えていると聞くと、男の子がだらしないのかな、と思います。男の子たちが勇気を出してアタックすれば、けっこうな確率でカップルが生まれるんじゃないかしら。
女の子のほうも「理想の男性は優しい人」なんて甘えてちゃダメだと思います。優しいだけじゃ、食べてはいけません。強くて優しいならいいけれど、
優しいだけの男は絶対によくない。
<TEXT/鈴木靖子>
【滝野文恵/たきの・ふみえ】1932(昭和7)年、広島県福山市生まれ。関西学院大学を卒業後、1年間、アメリカへ留学。25歳で結婚。1男1女をもうける。53歳でアメリカ・ノーステキサス大学へ留学し、56歳で老年学修士号を取得。
帰国後、63歳でシニアチアダンスチーム「ジャパンポンポン」を設立。平均年齢71歳、24人のグループ内の最年長で、現在もステージに立つ。
ジャパンポンポン⇒
http://japanpompom.com/