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非行に走る子ども達にご飯を。83歳「ばっちゃん」が大反響

 その人は、広島市に住む中本忠子(ちかこ)さん、83歳。

 現在は引退していますが、30年以上にわたり保護司をつとめていました。

 保護司とは、保護観察官とともに、非行に走った子どもたちの生活指導や更生の手助けをするボランティアです。

ばっちゃん

子どもたちに無償でごはんを振る舞い続ける



 中学校が荒れていた1980年代。PTAの活動中、「不良少年のあしらいが上手だから、保護司をやってみたらどうですか?」と警察官から言われ、「やってみようかね」と気楽に引き受けたのがすべての始まりでした。

 保護司をするうち、万引きやカツアゲ、暴走行為、シンナーなど、非行に走る子どもたちの中に、満足に食事をしていない子どもがいることに中本さんは気づきました。

「シンナーを吸っている間はお腹が空いていることを忘れられる」

 ひとりの少年の言葉をきかっけに、中本さんは子どもたちに無償で手料理を振る舞うようになりました。

 その少年の学校には給食がなかったので、中本さんがお弁当を作って学校まで持って行く。

 その少年が「友達でもごはん食べられてないやつがいるから連れて行っていい?」と友達を連れてくる。その友達が友達を連れてくる。

 そうして中本さんの自宅は子どもであふれかえるようになっていました。

お腹がいっぱいになれば、子どもは悪さをしない



 毎日何人分ものごはんを作り、1日に3升のお米を炊くこともありました。スーパーで事務の仕事をしていたので、上司に事情を話して売れ残った食品を持って帰ることができたのはとても助かったそうです。それでも足りないときは自分の貯金を切り崩してご飯を作り続けました。

ばっちゃん2 お腹がいっぱいになれば子どもは悪いことはしないと中本さんは言います。

「お腹が空いたときといったら、悪さをすることしか頭にない。子どもらっていうのは。男の子なら、万引き、カツアゲ、ひったくり。女の子じゃったら売春。お腹が空いたときに考えるいうたら、それしかない。これは、10人中、10人がみんな!」

 ご飯を食べに来るのは、さまざまな境遇にいる子どもたちです。しかし「ウチに来る子で、貧困の子どもはいない」と中本さんは言います。

「子どもの親はたいてい生活保護をもらっていて、ウチの年金より多い」というのがその理由です。問題の本質は、お金がお酒やクスリ、ギャンブルなどに回って、子どもの食べ物にまわっていないことなのだそうです。

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NHKスペシャルで大反響、書籍にも…

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ばっちゃん ~子どもたちの居場所。広島のマザー・テレサ

ばっちゃんの活動を8年間にわたって追い続けたNHKディレクターが、子どもたちの置かれた状況や非行に走る背景、子どもたちがやっとの思いで発した言葉やばっちゃんの行動を参考にしながら、「子どもたちの居場所」について考える。

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