中には、親から虐待を受けたり、家から閉め出されたりなど、家に居場所がないこどもたちもいます。「どっこも行くところないときは、ここに帰ってくるじゃろ?」と子どもたちに言い聞かせ、子どもを家に泊め、あるときは中学生の男の子6人が半年も家にいたこともあったそうです。
子どもが補導されれば、警察まで身元引き受けにゆき、警察の取り調べが不当だと感じれば警察署へ怒鳴り込み、子どものためなら土下座も辞さない……。
365日24時間子どもたちと向き合う中本さん。
このような大変なことをなぜ続けてこられたのでしょうか?
「私が手を引いたら、この子たちはどうなる? 誰も見てくれないということになったら、やっぱり私がせんにゃいけん。子どもたちの顔を見てごらん? かわいいじゃろ。子どもの顔を見よったら、せんにゃおれんようになる」
子どもの貧困がたびたび報じられ、「子ども食堂」などの地域活動も盛んになってきましたが、中本さんは40年近く前から、誰に喧伝することなく活動を続けてきました。
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今年1月にNHKスペシャルで「ばっちゃん ~子どもたちが立ち直る居場所~」が放映され大反響を呼んだので、ご存じの方もいるでしょう。番組は好評につき、11月3日に再放送されることが決まったそうです(午前11時~)。1月の放映を見逃した方は是非ご覧ください。
また、この番組を作ったNHKのディレクターは、8年にわたり中本さんを取材しています。このたび、中本さんの活動をまとめた本を上梓しました。
『
ばっちゃん ~子どもたちの居場所。広島のマザー・テレサ』
先の選挙では「排除」という言葉がキーワードとなりましたが、世間からつまはじきにされそうな子どもたちに手をさしのべ続ける中本さんの姿に、私たちも大きな気づきを得られるでしょう。
<TEXT/女子SPA!編集部>
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