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市原隼人主演『明日の君がもっと好き』は伝説の同性愛ドラマのあの人が手がけていた!

 あわただしい一週間が終わり、週末の夜、じっくりドラマを見たい人にオススメなのが、市原隼人主演『明日の君がもっと好き』(テレビ朝日系 土曜夜11時5分)です。
『明日の君がもっと好き』

『明日の君がもっと好き』テレビ朝日公式サイトより http://www.tv-asahi.co.jp/asukimi/

ドラマファンを楽しませてくれる要素がてんこ盛り

 物語は造園デザイナー・松尾亮(市原隼人)と一流企業の社長秘書・里川茜(伊藤歩)の奇跡的な出会いから始まります。  ある日、一方的に好意を寄せてきたタクシー運転手(小松和重)から偶然、茜を救った亮。  この2人の関係を軸に、亮とは兄妹のような関係ですが自身の性的アイデンティティーに悩む丹野香(森川葵)、姉である茜の婚約者・智弘(渡辺大)を略奪した梓(志田未来)、幼少期のトラウマから年上の女性に異常な感情をぶつける城崎遥飛(白洲迅)といったディープなキャラクターが複雑に入り乱れ、ドラマは進んでいきます。

ベテラン脚本家・井沢満の腕が冴える

 脚本の井沢満さんはこれまでに『外科医有森冴子』(’90年)『同窓会』(’93年)などのヒット作を持つベテラン脚本家。 『外科医・有森冴子』は米倉涼子主演の『ドクターX~外科医・大門未知子~』シリーズよりはるか昔に女医を主人公とした医療ドラマとして大ヒット。なお、主演を務めた三田佳子さんは本作にも茜の祖母・静子役で出演しています。
同窓会

「同窓会」バップ

 また『同窓会』は、その頃まだ一般的ではなかった同性愛やセクシャルマイノリティを扱った、こちらも先駆的作品。当時はリアルタイムで視聴しながら、主題歌であるミスチルの『CROSS ROAD』とともに起こる衝撃的展開に毎週釘づけだった記憶があります。 『明日の君がもっと好き』も、そんな井沢さんのセンスを反映してか、毎回意味ありげに登場する青い蝶、その時なぜか風でめくれる茜のスカート、「ドォン!」という謎の効果音、女性を自ら誘惑しておいて豹変し虐げる遥飛のサイコぶり、静子の恐ろしい自宅介護&虐待シーンなどのお約束を踏まえつつ、散りばめられた意外性とともに次の展開から目が離せません。

名言連発!味わい深い登場人物のセリフに注目

 見どころ満載の本作ですが、注目ポイントの一つとして挙げたいのは登場人物たちのセリフです。  ざっとピックアップしただけでも、 「美しいけど、悲しい……」「夕焼けは、嫉妬の色」(第1話) 「若さは水蒸気」「女は誰も一匹、胸に鬼を飼ってる」「レモンの形をした月。見上げたら胸に酸っぱいジュースがほとばしった」(第2話)など、  どれもまるで一遍の叙情詩のような味わいがあるセリフばかり。  裏を返せば、それだけ井沢さんが「言葉」を大切にしているということだと思います。  おそらく最終回には『明日の君がもっと好き』というタイトルに込められた意味も判明することでしょう。それまでにどれだけの名言が飛び出すかとても楽しみです。
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