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植草美幸さんインタビュー|派遣切りされた100人を抱え倒産寸前…女社長を復活させた、高校時代からの「ある記録」

まったく別の事業へチャレンジしたきっかけは…

「経営者を15年も続けていると、人に雇われたいと思えないもの。それなら、別の業種にチャレンジするのみです」  そこで家賃月額35万円の南青山の事務所から、半分以下の14~5万円の物件へ移転。新規事業に挙がったのは、「老人ホーム」と「保育園」、そして「結婚相談所」でした。 結婚相談所 それぞれリサーチすると、老人ホーム設立には2~3年間という準備期間が必要。また参加した都庁主催の保育園設立の説明会はコンサルだらけで、自分が携わるには将来性を感じられなかったそうです。 「一方、結婚相談所のほとんどが個人事業主。だからビッグチャンスがあると思いました。しかも、高校時代から20組も成婚させていたことを思い出したんです。アパレル販売代行業で人材を育成したように、成婚させるために会員に着こなしやメイク、コミュニケーションの方法を教えようと思い立ちました」

チラシ投函、業界ナンバーワンへの聞き込み…必死の活動

 そこで植草さんは血眼になって再起を図ります。チラシを作って一人で一日300件以上のポスティングを開始。すると法人会の会長をはじめ、手を差し伸べてくれる人が続出。「もらった仕事は絶対に断らず死ぬ気でやる!」と決め、業界で一番だと言われる仲人さんのところに押しかけて、「教えてください」と頼み込むほどの必死さでした。  ナンバーワンだったその人のやり方を真似しながら学び取っていくうちに、数年後にはメディアでも頻繁に取り上げられるようになったのです。どん底から這い上がってつかみとった努力のたまものといっていいでしょう。 「リーマンショック時の教訓から、まずうちの社員を結婚させました」という植草さん。何があっても社員を守るという彼女の意志は、どん底だったあの日から、ずっと変わらず固いようです。 ―シリーズ「人生の転機、上がったり下がったり」vol.6― <TEXT/夏目かをる イラスト/ただりえこ>
夏目かをる
コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。ブログ「恋するブログ☆~恋、のような気分で♪
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