陽気なコロンビア人から悲鳴が…子連れサポーターのW杯観戦記
ニッポン、やりました!日本でもまだコロンビア戦の興奮がさめやらないと思いますが、子連れで観戦している著者が現地の様子をレポートします。
2歳と5歳の子連れで、しかも旦那抜きのワンオペでも、旅はどうにかなるんです!
コロンビア戦の会場となる都市サランスクは、モスクワから600kmほど離れた小ぢんまりとした町。飛行機でなら1時間半ほどで着くのですが、町の規模が小さすぎてホテルの空きはなし。
そのため今回は寝台列車でサランスク入りして、試合が終わったらそのまま寝台列車に乗ってモスクワへ帰るという「0泊2日の強行軍」作戦を取ることにしました。子連れのやることではありませんが、背に腹はかえられません。
列車は試合前日の17時過ぎにモスクワを出発。同行の姉や友人と4人1室のコンパートメントを貸し切りにしているので、他人に気兼ねすることもなく快適でした。1等~3等まであるうちの2等ですが、思ったより部屋も広い。子どもたちは2段ベッドの上に乗ってはしゃいでいます。
ちなみに5歳の長男は子ども料金、2歳の次男は「ベッドなしの無料」と「ベッドありの子ども料金」とが選べるので、同行者の数によって席を取ったり取らなかったりすることにしました。上段と下段では下段の方が高いので、子ども料金を適用させるときはしっかり下段に適用させます(せこい)。
この列車、10日ほど前に突如増発された列車なので、計画性のある日本人は少なめかと予想していましたが、実際は予想通りかそれ以上。車内はほとんどがコロンビア人サポーターで埋め尽くされていました。
相手チームのサポーターといっても、W杯はお祭りです。
試合前だからと殺気立つこともなく、コンパートメントのドアを開けておくと、「お~! ハポン! ハポン!」ととても陽気に絡んできます。私たちはコロンビアのエース、10番のハメス・ロドリゲスのお面をもらいました。このお面、シュールすぎてツボります。
試合前のサポーター同士の交流では「2-0でウチが勝つよ!」みたいなやり取りをするのが恒例。
当然、私たちも言われたら言われ返すのですが、「日本が3点…」といったらコロンビアサポたちから「3点?」とニヤニヤされてしまいました。
コロンビアといえば、4年前のブラジル大会のときに1-4で敗れた相手。私は現地で観戦していたのですが、スコア以上に圧倒的な力の差を見せつけられ、最後は控えのGKがW杯最年長出場記録を更新するために交替で入るという、まさに「屈辱」を味合わせられたのです。
そのときの記憶が鮮明に残っているため、今回またコロンビアと対戦すると聞いたときに「あの力の差をひっくり返せるものだろうか…」と不安しか感じられませんでした。
そんな力関係が前提にあるので、「3点?」とニヤニヤされてしまったときに思わず、「3点はさすがにないよね~」とこちらも苦笑い。「グッドラック!」といってくれるものの、完全に見下されています。ちくしょ~!
そんな楽しい交流をし、緊張と胸の高鳴りで早めに起床してしまいながら、朝の6時前に決戦の地サランスクに到着。強烈な日差しはあるものの、空気は澄んでいて清々しい。街並みも、小ぢんまりとしてはいますが、とっても美しい。
さぁここで、荷物置き兼シャワー用に予約してある民泊物件のチェックイン時間まで時間をつぶしながら準備をします。思い思いのコスチュームに身を包んだサポーターはW杯の華で、雰囲気を盛り上げるのに欠かせない存在。
そう思っているので、私はユニフォームではなく事前に準備した衣装で試合に臨みます。
ブラジルでは青いサンバの頭飾りを特注し、10人の仲間たちとおそろいでかぶりました。今回はファシネーターと呼ばれるミニ帽子をイギリスからお取り寄せ。子連れ旅に同行してくれている姉や友人と4人でおそろいです。
駅構内のベンチで衣装を着て準備をしていると、続々と到着するコロンビアサポや現地在住のロシア人たちに「写真を一緒に!」と頼まれます。次から次へと来るので、まるで自分たちが観光名所になったかのよう。
けれど、これもW杯の楽しさであり醍醐味。写真を撮る際に言葉を交わすことも楽しいし、何より自分が大好きなW杯のピースの1つになっていることがうれしいのです。ちなみに子どもは衣装ではなくユニフォーム。
前回のブラジル大会では5500円かけて子ども用の頭飾りも作ったのですが、結局いやがってかぶってくれなかったので、今回は最初からあきらめることにしました。
ホテルがないなら、寝台列車の個室で

コロンビアサポーターとの交流で楽しい車内
試合前には、サポーターからも完全に見下されて…
W杯に行くチャンスがあれば衣装でキメるとGood
