H&Mに限らず、ファストファッションブランドは今後、ビジネスモデルの転換に迫られていると山田氏は言います。
「2000年代までの世界のファッション業界は、パリやミラノで開催される有力ブランドのファッションショーを頂点としたピラミッド構造となっていました。コレクションのデザインを素早く模倣し、低価格で販売することがファストファッションブランドのビジネスモデルでした。
ですが、近年はSNSの普及の影響などにより、ファッション業界のピラミッド構造は崩れつつあります。また、
消費者の好みも多種多様になり、ヒット商品も生まれにくくなっています」
コレクションだけでなく、Instagramを始めとするSNSから生まれるトレンドを素早く反映し、今よりも多品種・小ロットの生産体制で多様化する消費者のニーズに応える必要があるそう。
そのためには、「さらなるITの活用による企画の効率化や、ロボットミシンの導入などによる生産のスピードアップが求められています」。
<文/森聖児>