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親が離婚した女性の苦悩。「男性はエイリアン。家にいる姿を想像できない」

<“親の離婚”と私――vol.1>  子どものいる夫婦でも、互いの事情でそれぞれ別の道を選ぶことは珍しくありません。ただ、子どもに“両親の離婚”がどう影響するのかは、気になる親御さんも多いようです。
親の離婚

写真はイメージです(以下同じ)

 子どもは、離婚後の両親、そして自身の恋愛や結婚をどう感じているのでしょうか? 2歳で両親が離婚し、母親に引き取られた三浦智美さん(仮名・37歳)にお話を伺いました。

父親は一緒に暮らさないのが当たり前だと思っていた

――2歳の時に両親が離婚されたそうですが、お父さんの記憶はありますか? 「家庭裁判所で決められた月2回の面会を高校卒業まで続けていたので、父のことは知っています。今でもたまに会いますよ。ただ、一緒に暮らした記憶は一切ありません。そのため、幼いころは、“父親というのは月2回会うだけで一緒に生活しない人”と思っていました。感覚的には、“リカちゃん人形を買ってくれる親戚のおじさん”みたいにとらえていましたね(笑)」 ――父親の在り方が一般的ではないと気づいたきっかけは? 「小学校低学年のころでしょうか、友だちとの話やテレビの影響で、父親が一緒に暮らしていないのは世間がイメージする“普通”じゃないことだと気づいたのだと思います。  昭和的な世間体を気にする母から口止めされていたので、自分から話すことはありませんでしたが、彼らの親からウワサを聞いたのだろう同級生から『三浦さんち、リコンしてるくせに!』と言われて、すごくイヤだったのを覚えています。でも父について“彼は日常生活の中にいないのが当たり前の人だ”とキャラ付けしていたので、寂しいとか一緒に暮らしたいと感じることはありませんでしたね」 小学生時代――成長に伴って気持ちの変化などはありましたか? 「面会当時も今も父については、いわゆる“家族”という感覚はないです。でも、小学校高学年のとき、母が『色んな女を触った手で智美ちゃんを触るなんて、ぞっとする』と言ったんです。言葉の意味はわからなくても、母はひどい目に遭わされたんだと、なんとなく察しました。  その後も、『お父さんは、寝たきりのおじいちゃんに<早く死なないかな>と言っていた』などの母の話や、親戚が『つらかったね』『可愛そうだったね』と母を慰める様子を見ているうち、『父は大好きなママを痛めつけた悪い奴』というイメージが作り上げられていきました。  そのころから母に肩入れするようになり、父とは一層心の距離をおくようになりましたね。大人になった今は、父のことは、父親というより一人の人間として見ていて、好きでも嫌いでもないですが、深入りや、離婚理由や当時の話を聞くなど、真に向き合う家族らしいことはしたくないです」
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男性はエイリアン。結婚生活がイメージできない
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