「便秘」にうれしいオリーブオイルの調理法。ひと手間でぜんぜん違う
ビタミンEやオレイン酸の含有量が多く、健康や美容の強い味方であるオリーブオイル。しかし、その栄養価を保つためには「オリーブオイルの加熱は禁物」なんて噂(誤解)が一時期出回り、生で利用しないといけないと思っている人は少なくないかもしれません。
実は最新の研究で、オリーブオイルを加熱調理に使うと、腸内環境改善などに役立つ「レジスタントスターチ」が効率的に増加するとわかったんです。
レジスタントスターチとは難消化性デンプンのひとつで、かぼちゃやジャガイモなどの野菜、穀物に含まれています。通常のデンプンに比べて体に吸収されにくい性質があるため、レジスタントスターチを摂取すると、排便を促し腸内環境を整えてくれるほか、血糖値の上昇や食後の脂質吸収抑制などの健康効果が期待できます。
だから、便秘で悩む女性や便秘による肌荒れなどを引き起こしている方にとっては、レジスタントスターチはぜひ摂取したい栄養分と言えるわけです。
そんなレジスタントスターチが、オリーブオイルの調理によって効率的に増加することが、株式会社ディーエイチシーと東京海洋大学の松田特任助教との共同実験で明らかとなりました。
カボチャ由来のデンプンを、(1)オイル無し、(2)サラダオイル使用、(3)オリーブオイル使用の3つの条件で、100度で20分加熱し冷蔵庫で1日保存してから、レジスタントスターチの量の変化を確認。すると、オイル無しとサラダオイル使用の場合はレジスタントスターチの量は1.1倍、1.2倍だったのに対して、オリーブオイルで調理した場合は2.1倍にも増えていたのです。
また、スイーツ作りの場面も想定して、バターやココナッツオイルでカボチャ由来のデンプンを100度で20分過熱し冷蔵庫に1日保存したときのレジスタントスターチの量も分析。すると、バターやココナッツオイルを使うと、オイル未使用の場合に比べてレジスタントスターチの量が少なくなることがわかり、オリーブオイルを使った場合に比べて大きな差がつくことがわかりました。

腸内環境を整える「レジスタントスターチ」って?
オリーブオイルによる加熱調理でレジスタントスターチが増加
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