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5歳の息子が発達障害に。私を救った友人の意外なひと言

子どもの笑顔を守るも潰すも親。なら、ずっと笑わせてやる!

 この人は強い。改めて、そう思った。  ぽんちゃんが障害を持って生まれてきたなら、もう逆手にとって楽しむしかない。だって、この子は、私しか守る人がいないのだから。 メリーゴーランドに乗る子供たち それに、ぽんちゃんは、毎日信じられないくらいかわいい。いたずらもするけれど、私が怒るとギュッと抱きしめてくる。もう、許すしかない。そして、「好きだよ~」というと、ぎゅっと抱きしめてくれる。  ぽんちゃんは、ぽんちゃんであり、障害があるからどうということではない。ぽんちゃんは、ぽんちゃんなのだ。  それなら、あらゆる有利な情報を得て、使って、幸せになるしかない。  将来のことばかり考えて真っ暗になるよりも、毎日を楽しんでその積み重ねが未来になる方が、絶対に幸せに決まっている。周りが悩んで、落ち込んでてもぽんちゃんは笑顔なんだから、私も笑顔になるしかない。  それに、当の本人は、毎日、楽しそうに暮らしている。この笑顔を守るも潰すも、親の私なのだ。それなら、ずっと笑わせてやる! そう誓うと、不思議と悲しい気持ちは薄れていた。前向き、前向き!  そしてその1カ月後、ぽんちゃんは愛の手帳を習得した。それから5年経った今でもクタクタになるくらい、毎日手帳を活用している。ぽんちゃんがいると並ばなくていいという悪知恵を得たみーちゃんは、「ぽんちゃんと遊園地行く~!」とよく叫んでいる。いちばんメリットを得たのは姉のみーちゃんかもしれない(笑)。  ちなみに自閉症のレイくんは集中力が尋常ではなく、小学校は支援学級と普通学級の両方に籍を置きながら、なんと今、中学受験にチャレンジしているという。得意科目は算数で、覚える速度が異常に早いんだとか。変わらず、電車は好きなようだ。  私が引っ越してしまってからは、年に数回しか会えないけれど、現在6年生となったレイくんはイケメンかつ、ママの血なのか、好奇心旺盛に育っている。そして、ぽんちゃんとも遊んでくれている。  この出会いも、すべてぽんちゃんが引き寄せてくれたのかなと思う今日この頃。すべての出会いに大きな意味があるというのは、本当のことのようだ。 <文/吉田可奈 イラスト/ワタナベチヒロ> 【登場人物の紹介】 登場人物の紹介息子・ぽんちゃん(8歳):天使の微笑みを武器に持つ天然の人たらし。表出性言語障がいのハンデをもろともせず小学校では人気者 娘・みいちゃん(10歳):しっかり者でおませな小学5年生。イケメンの判断が非常に厳しい。 ママ:80年生まれの松坂世代。フリーライターのシングルマザー。逆境にやたらと強い一家の大黒柱。
吉田可奈
80年生まれ。CDショップのバイヤーを経て、出版社に入社、その後独立しフリーライターに。音楽雑誌やファッション雑誌などなどで執筆を手がける。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。長男に発達障害、そして知的障害があることがわかる。著書『シングルマザー、家を買う』『うちの子、へん? 発達障害・知的障害の子と生きる』Twitter(@knysd1980
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