海外で「タンポン税」が問題に。生理用品は“生活必需品”じゃないの?
世界には「タンポン税」なるものがあるのを知っていますか?
「タンポン税」はあくまで通称で、実際にそういった税金があるわけではありません。オーストラリアやアメリカなど生活必需品が非課税である国において、女性の生理用品が課税対象になっている状況を指すものです。
そしてこのタンポン税について、撤廃を求める女性たちの声が世界で大きなうねりを起こしているんです。
オーストラリアでは2000年から、消費税にあたる商品サービス税(GST)10%が導入されています。しかし、生活必需品である食料品の多くは非課税とされ、ほかにはコンドームや日焼け止め、健康関連商品なども課税対象外とされてきました。それなのに、タンポンなどの生理用品は課税対象となっていたため、長いこと「女性差別だ!」と訴える声が多かったのです。
女性の生理は自然の摂理であって、生理用品は女性にとっては食べものと同じように、生活になくてはならないもの。だから生理用品に課税して、女性に税金の負担がのしかかるのは不公平という意見です。
そういった女性たちの声を受け、オーストラリア政府は2018年10月、女性の生理用品を課税対象から除外することを発表。20年近く続いたタンポン税論争に終止符が打たれたわけです。
一方アメリカでは50州のうち、生理用品が非課税になるのは9つの州のみ。ほかに5つの州で、生理用品を対象外とする法律制定が進んでいるものの、全体の数からすればまだ一部にすぎません。
そのためタンポン税廃止の運動が各地で行われ、2017年にはモデルのアンバー・ローズが出演する動画も公開。
「36 States tax like a luxury?(36の州では、ジュエリーみたいにタンポンに課税しているの?)」と、女性の生理はダイヤモンドやジュエリーのような嗜好品ではないというメッセージを訴えています。

オーストラリアでタンポン税が廃止
アメリカでは多くの州がタンポン税を継続
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