日本人であれば、「自分がされて嫌なことはやめよう」、「悪いことをしたらお天道様が見ているかもしれない」といった思いがよぎりそうなものですが、中国人はなかなかそうはならないと西谷さんは言います。
西谷「中国人には一般的に、『
他人のことはどうでもいい』という価値観があります。自分自身と家族、友人に対しては人間らしい優しさがあるのですが、赤の他人に対しては時に恐ろしいほど冷淡です。たとえば、クルマでひき逃げ事故を起こした場合、通報するどころかバックしてひき直して絶命させてから逃げる、ということも決して珍しくありません」
今回の動画は中国国内でも大きな注目を集め、ブロガーは現在は一部ホテルでブラックリストに入れられ、利用を制限された可能性もあるとか。また、
業界関係者からの報復を恐れて、現在は外出すらままならない状態なのだそうです。
西谷「清掃員の多くは低賃金長時間労働を強いられている上、清掃した部屋の個数に応じて賃金が決まる出来高制のシステムを採用しているケースも少なくありません。
否応(いやおう)なくスピード重視に偏重するのも無理はなく、こうした雇用形態にも問題があったのではないかと、ホテルの経営サイドを非難する声も出ています」
中国では17年末にも高級五ツ星ホテルで便器を掃除した便所ブラシを使ってコップを洗っていたという事実が発覚し、問題視されたばかり。
旅行や出張で中国のホテルに宿泊する際には、コップを持参するなどの自衛が必要かもしれませんね。
<文/女子SPA!編集部>
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【西谷 格(にしたに ただす)氏・プロフィール】
1981年、神奈川県生まれ。早稲田大学社会科学部卒。地方新聞の記者を経て、フリーランスとして活動。2009年に上海に移住、2015年まで現地から中国の現状をレポートした。主な著書に『
この手紙、とどけ! 106歳の日本人教師歳の台湾人生徒と再会するまで』『
中国人は雑巾と布巾の区別ができない』『
上海裏の歩き方』、訳書に『
台湾レトロ建築案内』など。