当時からバツグンの歌唱力を誇り、2000年に発表したジャクソン5の「I Want You Back」のカバーでは、子供時代のマイケル・ジャクソンが乗り移ったかのような、驚きのパフォーマンスを披露しました。
それがきっかけでついたニックネームが、“和製マイケル・ジャクソン”。歌もダンスも高いレベルでこなせる彼への、最高の賛辞でした。
そして、「Folder」時代にもうひとつ忘れることのできない名曲が生まれます。それが、「Everlasting Love」。SMAPの「らいおんハート」の作者としても知られるコモリタミノル(59)の手がけた作品で、男性Jポップの頂点のひとつに挙げたいほどの素晴らしいバラードでした。当時リアルタイムで耳にした筆者も、とんでもなくいい曲にすさまじい歌だと、興奮したのを覚えています。
ややもすれば、ビートの強い曲か、優しく歌い上げるバラードか、どちらかに偏ってしまいがちですが、小さい頃から三浦大知の歌にそんな心配は無用でした。“歌がうまい”などとわざわざ言うのが失礼に思えるほど、高い水準にあったのですね。
声変わりで5年休業、ダンスを磨く
順風満帆かと思われたキャリアですが、変声期のため2000年にグループを脱退し、5年間もの休養を余儀なくされました。しかしその間にダンスレッスンに集中できたことが、現在のスタイルの土台となったのかもしれません。
2005年にソロとして再デビューを果たしてからは、「EXCITE」や昨年の紅白でも披露した「Be Myself」などのヒット曲がありますが、筆者が一番驚いたのは「Can You See Our Flag Wavin’ In The Sky?」(2013年のアルバム『The Entertainer』収録)という曲でした。複雑な和音と、一本調子ではないリズムなのに、ひとつの“うた”として聞かせてしまう説得力に圧倒されたのです。
これには、音楽チャンネルで流れた瞬間に心奪われました。Jポップ的、歌謡曲的に安心できる盛り上がりが一切ないかわりに、楽曲の進行やサウンドのデザインで確かな世界観を作り上げてしまう。それをダンスとセットのエンターテイメントとしてやってのけてしまうスケールの大きさが、唯一無二だと感じました。
というわけで、2月24日に三浦大知がどんな歌を聞かせてくれるのか。いまから楽しみですね。
<文/音楽批評・石黒隆之>
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