――巷（ちまた）には除菌を謳（うた）う商品があふれていますが、どれも意味がないということですか？ 松本「汚れを分解したら、それを流したり吸い取ったりする力が必要といったように、何事にも工程があります。除菌剤などは、その中の一部だけ、いいところだけを凝縮してシナリオを作っているので、嘘は言っていないけれど、その前後にどうしたらいいのかってところまでは言及していないんです。 　前回申し上げたように、掃除は物理と化学の世界なので、ひとつの商品だけですべてがクリアできるなんてことはあり得ません。もしひと吹きで物質自体を消し去れたら、ノーベル賞ものです（笑）。だから、意味がないわけではないのですが、消費者側がそのあたりをきちんと理解して、効率よく掃除するためにどう使うかが大切なんですよ」 =========== 　3回に渡りお聞きしてきた松本さんの掃除術。目からうろこの事実がたくさんあり、「もしかしたら、ほかにも間違った掃除法で頑張っていることがあるのでは？」との不安が湧いてきました。そこで次回からは、キッチンや風呂場、トイレなど、場所別に”正しい掃除法”を聞いていきたいと思います！ ―松本忠男さんに聞く健康掃除のコツ vol.3― 【松本忠男】 東京ディズニーランドの開園時の正社員、ダスキンヘルスケアを経て、亀田総合病院のグループ会社に転職。清掃管理者として約10年間、現場のマネジメントや営業に従事。1997年、医療関連サービスのトータルマネジメントを事業目的として、株式会社プラナを設立。日本ヘルスケアクリーニング協会代表理事。亀田総合病院では100人近く、横浜市立市民病院では約40人のスタッフを指導し、現場で体得したコツやノウハウを、医療、介護施設、清掃会社に提供している。 ＜取材・文／千葉こころ＞ ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】