結局、知り合いの弁護士に間に入ってもらい、100万円を支払うことになったが、彼女としてはこれまで10数年にわたる彼との関係がどういうものだったのか、考えても考えても答えが出ずに苦しんでいる。
「彼の妻は、『結局、遊ばれただけなのに、あなた、いつもうちの夫に愛してるだの本気だのってメッセージ送ってきてたでしょ。
笑いながら見てたわよ、私』と。彼の携帯、ずっと奥さんに見られていたんですね。『
私が、“ボクも好きだよ”って書けと指示したこともあるのよ』と言っていました。それは本当なのか、私を貶(おとし)めるための芝居なのかわかりませんが、自分の気持ちが踏みにじられたことが悔しくてたまらなかった」
恋愛関係における自分のまごころを、たとえ相手の妻とはいえ他人に知られて蹂躙(じゅうりん)されたときのショックは想像を超えるものだろう。
「
不倫なんてしてはいけないと思っていた。それでもお互いに好きだから止められなかった。そう思っていたのは私だけだったんです」
以来、彼女は心身ともに不調を感じ、病院通いが続いている。彼が離婚や起業についてなぜ彼女に言わなかったのかは謎のままだ。
<文/亀山早苗>
⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】