大人しかできない恋がある。男性が惹かれる、40代女性の武器とは
男はステータスとお金さえあればいつでも若い女性をゲットできるが、女は“若さ”こそが恋愛における武器――。そう考える女性も少なくないだろう。そんな思い込みを払拭するラブコメ映画『パリ、嘘つきな恋』がフランスから日本に5月24日に上陸する。
フランスでは国民的コメディアンであるフランク・デュボスクが監督・脚本・主演と1人3役を務め、初監督作ながらも、250万人もの観客を動員したという異例の大ヒット作品だ。
デュボスクが演じるのはシングル、リッチ、ハンサムな40代のモテ男。ゲーム感覚で恋愛を楽しむ浮気性の男がひょんなことから、足が不自由だと嘘をついたまま、車椅子の美女と本気の恋に落ちる。嘘から始まった恋はどこへ向かうのか――?
今回はフランク・デュボスク氏に電話インタビューを行い、映画のテーマや40代女性の魅力について話を聞いてみた。
――この映画には爆笑シーンがたくさんありますが、ヒュー・グラント主演のイギリスのラブコメ『ラブ・アクチュアリー』へのオマージュのようなシーンもありましたね。
フランク・デュボスク(以下、デュボスク)「プールのシーンですよね? あれは編集をしているときに『ラブ・アクチュアリー』を思い出して、ちょっとそういう雰囲気に仕上げたんです。イギリスのラブコメは好きでよく観ているんです」
――本作がほかのラブコメと一線を画している点は、ハンディキャップをユーモアの種にしながらも、決して差別的ではなかったところです。この絶妙なバランスを引き出すのは難しかったのでは?
デュボスク「実は私の母が車椅子を使っているので、ハンディキャップを持つ人々をユーモラスに描くことに抵抗はありませんでした。ハンディキャップは私にとって“タブー”ではなく、生活の一部。ハンディキャップについて私と家族には自由に話せるし、ジョークにもできるテーマなんです」
――“ポリティカリー・コレクト(PC=差別的言葉をなくそうという概念)”を意識しすぎて、クリエイターとして創造性を十分発揮できないということはありますか?
デュボスク「本作のようにハンディキャップをコメディにするというテーマは、アプローチ次第だと思います。皮肉な気持ちで制作してしまうとやはりそれが出てしまう……。私の場合は愛情をもって描いたので、観客は笑ってくれたように思います」
――確かに現代では、皮肉やあてこすりによる“笑い”がはびこっています。
デュボスク「私は優しい人間なんで、人を傷つけたりトゲがあったりするユーモアは大嫌いなんですよ!(笑)」
皮肉やトゲのある“笑い”は好きじゃない――
原題・英題:Tout le Monde Debout クレジット:監督・脚本:フランク・デュボスク 出演:フランク・デュボスク、アレクサンドラ・ラミー 2018年/フランス/仏語/108分/シネスコ 配給:松竹 公開日:2019年5月24日 公開情報:5月24日(金)より、新宿ピカデリー、東劇、渋谷シネクイント他 全国ロードショー 公式サイト:paris-uso.jp