さらに、岸村さんがもうひとつ、ヨーグルトのメリットとして挙げるのが、「血糖値の上昇を抑える効果」です。これは、どういうことでしょうか。
「食後に血糖値が急激に上昇してしまうと、インスリンが大量に分泌されます。インスリンは余分な脂肪や糖を細胞に大量に取り込むので、これを繰り返すと太りやすくなります。
また、血糖値の乱高下は、イライラや無気力などメンタルの不調も起こしやすくします。さらに血糖値の上昇は『糖化』を促進させるので、コラーゲンが硬くなり、シワやたるみの原因にもつながるんです」
なんと、血糖値の上昇は肌にも大敵! 岸村さんが代表をつとめる一般社団法人 大人のダイエット研究所の試験によれば、ヨーグルトはこの血糖値の上昇をゆるやかにしてくれるのです(※下の2つのグラフは一般社団法人 大人のダイエット研究所が2017年10月に発表した試験結果)。とくに食事の前に食べる「ヨーグルト・ファースト」の効果は絶大で、野菜を先に食べる「ベジ・ファースト」と同等もしくはそれ以上なんだとか。



また、岸村さんからは食べる順番に加え、効果的なタイミングについてもアドバイス。
「一食抜くなど空腹時間が長ければ長いほど、次に食事したとき血糖値は急上昇するので、そんなときは食間にヨーグルトを活用しましょう。
より高い減量効果を狙うなら、夕方までにある程度の食事をして夜にヨーグルトを食べる“分食”にトライするといいかもしれません。じつは夕食を18時までに食べ終えると体重が格段に落ちやすくなるんですよ」

こうしたときも、高たんぱくなギリシャヨーグルトがいいのは、「ネバネバが強いのでヨーグルトのなかでも血糖値の抑制効果が高い」ことと、その濃厚さで満腹感をもたらしてくれるから。
「満腹感を感じることは大切で、私自身、無理なダイエットをしたことで食欲のコントロールが効かない体になっってしまった過去がありました。“ガマンをして食べない”というのと、“お腹が満たされて食べない”というのでは、気持ちがぜんぜん違います。ガマンが続くと反動があり、結果的に食べ過ぎを招くことに」
ガマンの末のリバウンドは、「体が省エネ体質になり太りやすくなる」そうで、プラスマイナスゼロにもならない結果を招きます。
ムリとガマンは大人のダイエットの大敵。「ベストを求めるときつくなるので、ベターを継続して!」という岸村さんの言葉を励みに、まずは、たんぱく質で“食べるダイエット”はじめてみましょうか。
【岸村康代さんプロフィール】
フードプランナー/管理栄養士、大人のダイエット研究所 代表理事。
2000人以上のダイエットを成功させてきた経験や野菜ソムリエなどの資格を生かし、商品開発、講演、メディア出演など多方面で活躍。著書に『落とした脂肪は合計10トン! 伝説のダイエットアドバイザーが教える 最強のやせ方』(東洋経済新報社)『おからパウダーダイエット』(セブン&アイ出版)など。
<文/鈴木靖子>