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あっ道端に子猫が…どうする?見て見ぬフリをせずにできること

 猫の発情は日照時間の長さに関係があると言われており、4月は発情期にあたります。人間の妊娠期間は約10ヵ月間。それに比べて猫は58~67日程度で出産を迎えるため、5~6月は道端で捨てられている子猫を見かける機会が増えます。
子猫

写真はイメージです(以下同じ)

 7月に入ってはしまいましたが、もし今後そんな状況に遭遇した時、どんな行動をすればいいのかを、愛玩動物飼養管理士である筆者が解説します。

まずは近くに親猫がいないか確認

 道端で子猫を見かけると、すぐに保護をしたくなる方も多いかもしれません。でも、中には捨てられたのではなく、親猫がご飯を得るため狩りに出かけていて子猫のみが残っている場合もあります。  そうした子猫に安易に触れてしまうと、人間のにおいがついて、親猫が育児を放棄してしまう可能性があるので注意が必要。周辺に親猫らしき猫がいないか確認したり、離れたところからしばらく様子を見守ったりし、本当に捨て猫なのかを見極めましょう。

保護したい時は段ボール箱や洗濯ネットを活用

 捨て猫に遭遇しても、どうやって子猫を保護すればいいのか悩んでしまうもの…。ボランティア団体に「どうすべきか教えてください」と電話するとアドバイスをくれるでしょう(近場なら手伝ってくれる場合も)。  保護するときは、空の段ボール箱や洗濯ネットが活用できます。  生後2ヶ月以内の子猫はそれほど警戒心が強くないため、保護はスムーズに進みやすいはず。ですが、生後2ヶ月を過ぎると徐々に活発になり、警戒心が強まり、保護が上手くいかないこともあります。なかなか子猫が近寄ってきてくれない時はペースト状のウェットフードや猫用ミルクなどで興味を引き、保護を進めていきましょう。  それでも捕獲することが難しい場合は、地元のボランティア団体や保健所から捕獲器を借りるのもひとつの方法です。

保護したらすぐに動物病院へ

 保護した子猫が健康そうに見えると、そのまますぐ自宅へ連れて帰りたくなるかもしれませんが、必ず動物病院で健康状態を調べてもらってください。保護した子猫が生後間もない場合は自力で体温の調節をすることが難しいため、包んだ湯たんぽやカイロ、お湯を入れたペットボトルを布をペット用のキャリーバッグや段ボールなどに入れ、体を温めながら動物病院へ連れて行きましょう。 動物病院 猫 外で暮らしている猫はカエルや鳥、トカゲなどを口にして命を繋いでいますが、そうした生き物を食べると、体内に寄生虫が宿ってしまう場合も多いのです。  寄生虫が住みつくと下痢や嘔吐、食欲不振といった症状がみられるようになります。子猫は抵抗力が弱く体力もないため、下痢や嘔吐が何日も続くと命を落としてしまうことも…。悲しい想いをさせないためには保護してすぐに動物病院で検査をしてもらい、寄生虫がいる場合は駆虫薬をしっかりと飲ませて、対処していきましょう。  なお、寄生虫の駆除と並行し、動物病院では持病を持っていないかも調べてもらってください。特に、すでに自宅に先住猫がいる場合は隔離が必要なのかを判断するためにも検査が必要となります。

飼えない場合は里親探しを

 子猫を保護しても、様々な事情から自宅で飼うことができない場合もあるかと思います。そうした時は子猫のお世話と並行し、里親探しも行っていきましょう。  地元のボランティア団体があれば、相談して、そこ主催の譲渡会に参加させてもらう方法があります。いろいろなノウハウも教えてくれます。 猫と女性 譲渡会以外だと、インターネット上の「里親マッチングサイト」を利用すると見つかりやすいはず。その際は必ず身分証明書を提示してもらったり、相手の家に行って飼育環境を自分の目で確認したりして虐待を防いでいきましょう。引き渡すときは一週間程度のトライアル期間を設けるのがポイント。里親さんに「本当に猫が飼えるのか」を真剣に考えてもらいましょう。  なお、里親さんに譲渡するのは離乳が済み、トイレのしつけが終わった頃がおすすめ。子猫はかわいため、里親になりたいとの申し出も多く寄せられます。ところが、数時間置きにミルクをあげないといけなかったり、子猫がトイレを失敗してしまったりすると里親さんは大きな負担を感じ、トライアル中に返還を申し出る可能性が高くなります。  譲渡を成功させるには、負担を感じにくい時期に引き渡しを行い、里親さんが子猫との暮らしをストレスではなく、楽しいと感じられるよう、配慮していきましょう。  道端で子猫を見かけた時、保護しようか悩んでしまう方は多いはず。自宅で猫を飼うことが難しいと、「誰かが保護してくれるだろう」と思い、見て見ぬフリをしてしまうこともあるかもしれません。  しかし、外で暮らしている野良猫は5年生きられたら長生きといわれるほど、厳しい世界の中にいます。そんな猫たちに手を差し伸べ、イエネコとして生きる手助けをしてあげることも私たち人間にできる「動物愛護」なのではないでしょうか。 <文/古川諭香> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
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