「アイドル以外の俳優や歌手に目を向けると、自殺者の数は飛躍的に増えます。05年に亡くなった女優のイ・ウンジュさん(享年24歳)は、身長170cmの抜群の美貌と卓越した演技力で業界内でも高い評価を得ていました。
ただ遺作となった『スカーレットレター』をはじめ、役の中で死ぬことが多かったんですよね。死ぬとは、どういうことなのか? そのことばかりイメージしているうちに、自身も死へ導かれたのではないかと噂されています」(前出・韓国芸能関係者)

『スカーレットレター』
(画像:amazonより)
チェ・ジンシルさん(08年没・享年39歳)の死も物議を醸しました。
彼女はネット上のアンケートで「1990年代最高の女優」に選ばれるなど、文字通りのトップ女優でした。読売ジャイアンツで活躍し、「コリアンエクスプレス」と呼ばれていた元プロ野球選手・趙成珉(チョ・ソンミン)さんが結婚していた相手といえばピンとくる人も多いかもしれません。 チェ・ジンシルさんと趙成珉さんの間には04年に離婚が成立していたものの、元妻の死に趙成珉さんは大きなショックを受けたといいます。
そして13年、後を追うようにして趙成珉さんは首を吊って自殺(享年39歳)。なお チェ・ジンシルさんの実弟で俳優・歌手のチェ・ジニョンさんも、10年には自ら命を絶っています(享年39歳)。まさに悲劇の連鎖です。
もっとも、自殺が多いのは芸能人に限りません。
韓国はOECD加盟国※での自殺率が13年連続で1位という不名誉な記録を持っているのです。今年発表された最新のデータではリトアニア(新たにOECDに加入)に次いで2位になり、自殺者の数も若干減少傾向にあるものの、依然として自殺大国であることには変わりがありません。
自殺にいたってしまう韓国人のメンタリティについては、後編として近日公開します。
※OECD:経済協力開発機構。加盟国は、アメリカ、カナダ、メキシコ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、日本、韓国など36か国。
人口10万人あたりの自殺(=自殺率、2016年)は、韓国25.8人、日本16.6人、OECD平均11.6人。
<文/小野田 衛>
1974年神奈川県生まれ。青山学院大学経営学部卒。共同通信社勤務の父の転勤に伴い、1977年より幼少期を韓国・ソウルで過ごす。大学卒業後、桃園書房勤務を経て、竹書房に入社。男性誌や女性向け書籍の制作を行なうかたわら、韓流関連の単行本や雑誌に携わる。現在は電子書籍配信会社「ブックシェルパ」取締役を務める一方、フリーライターとして活動。K-POPアナリストとして雑誌媒体を中心に執筆活動を続けている。