両親から迫られる「婚活」に、“優等生”が爆発した35歳女性が驚きの転身
15年以上に渡って、約1万人以上の女性たち(20代から50代)をホロスコープ鑑定してきた都内在住の占い師Mさん。占い好きな女性は多いものですが、Mさんのもとには、わらにも縋る思いで切羽詰まりまくりな相談者がやってくるのだとか。そんな女性たちを3回に渡ってご紹介します。
両親の期待にこたえるため、必死に優等生を演じてきたOLの真希さん(35歳・仮名)。結婚相談所でお見合いを繰り返すうちに、対人恐怖症になってしまったのだとか。
「大学を卒業して、一般職に就いて、フツーの恋愛を2回ぐらい経験してきましたが、どちらも結婚まではいきませんでした。そうこうしているうちに34歳になって、同居している両親からとうとう結婚相談所に入るよう言われました」
入会金30万円を払って、大手結婚相談所に入ったものの、「見合い男性からの品定めが本当に耐えられなかった」と真希さんは震え上がります。
「同年代の男性にオファーしても、全員から断られました。オファーしてくるのは、ほとんど40歳を超えた男性。お見合いの席でまず上から下までジロジロ見られてから、『結婚しても仕事を続けるの』『両親との同居を希望するの』『子供は何人欲しい』と、質問攻め。まるで刑事ドラマの尋問みたいで。『時間がもったいないから』と言われると仕事でもあるまいしと辛くなりましたし、にこやかに終わった相手に『今度こそ大丈夫かな』と少し期待しても、翌日に断られたりすると、理由がさっぱり分からなくてへこんでました」
タイプではない男性からの申し込みにも「断るのがつらい」と応じてしまっているうちに、ますます人と接するのが怖くなったそうです。それでも両親に「もう一年だけ頑張って」と言われ、耐え切れずに占いへ駆け込んだのだとか。誰でもない第三者に話を聞いてほしい時ってありますよね……。そして、打ち明けているうちに、悔しいと泣いてしまった真希さん。
「『みずがめ座に近い山羊座の真希さんは、古風だけれど、野心家で、しかも着実にやりたいことを実現する性質を持っている』と言われました。不思議ちゃんの感性を持つ個性的な面もあるそうです。これまで親の期待通りになろうと優等生を意識するあまり、『断るのがつらい』とかいい子ちゃんぶって、自分の我を出していなかったから、苦しかったんですね。
恋愛については、一緒にいて楽しめる人がいいと指摘されました。これまでお見合い相手に振り回されてきましたが、私は振り回されるより振り回す方が向いていると。目からうろこでしたね」。
真希さんは「自分が楽しいと感じることをして、楽しい人と一緒にいなさい」とMさんに言われて、吹っ切れたと言います。
「自分がやりたいことは何かを考えた時に、浮かんだのは、ソムリエでした。もともと飲食が大好きで、ソムリエにも興味がありました。OLを辞めて、飲食業界で働きながら、ソムリエの資格を取ると両親に話したら、『結婚はどうするの?』と反対されましたが、『結婚より好きなことをする』と宣言しましたよ。初めての反抗でした」
実家を出て、一人暮らしをするようになった真希さん。1年後に、再び占い師を訪れると、「誰だかわからないくらい変わった」「綺麗になった」と驚かれたほど。
「3年後に、ワインソムリエの資格を取ってワインバーに転職しました。これまでファッションはコンサバでしたが、今はフェミニンで明るい色彩のワンピなども好きです。そのせいか複数の男性から申し込みがあって」
占い師いわく、「モテ期に入っている」そうですが…。
「不倫の申し込みまであるんですよ。もちろん、断りました(笑)。結婚相談所でトンデモナイ男性たちから、好き勝手に言われたことが、まるで夢のようです」
占い師Mさんは真希さんの変貌を次のように分析します。
「『自分の人生は自分のもの』と気づいて、精神的に両親と決別してから、仕事も恋愛もうまく回るようになったんです。好きなことで結果がでると、ますますやる気になり、人生の楽しみも増えていく。自分の人生を充実させていくことが、幸せにつながりますね」
OLから「ソムリエ」。聞いているこっちが占いでそんな決断しちゃって大丈夫なのか心配になるくらいの転身ですが、いい方向に転がったようでよかったですね。
<取材・文/夏目かをる>
⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
両親に言われて結婚相談所へ。ずっと“優等生”の35歳
いい子ちゃんからの脱却

アラサー、初めての反抗

夏目かをる
コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。ブログ「恋するブログ☆~恋、のような気分で♪」