Lifestyle

「年を重ねるほど美しくなる」パリの素敵なマダムの生き方

5人の娘の母、そして経営者

 今回パリのマダムをご紹介するにあたって、真っ先にふと私の頭に浮かんだのがベランジェールさんでした。上は25歳から下は14歳まで5人の女の子のお母さんで、「しかも同じ男性とね」と、茶目っ気たっぷりに付け加えるあたりはとてもフランス的。出生率が高いフランスですが、5人というのはさすがに稀ですし、離婚率もとても高いパリで同じ人とずっと一緒で、それも側で見ていて羨むくらいの愛情が続いているというのは素晴らしいことです。
セゾン・ド・エリコ 中村江里子のデイリー・スタイル Vol.11

庭の緑が心地よい1階のサロンで、お持たせのショコラと一緒にコーヒーをすすめてくれました

●ベランジュール・クルトワさん パリ生まれのパリ育ち。51歳。子育てから徐々に手が離れるのと並行して帽子のブランドを興し、2014年9月にブティックを開店。昨今は自宅とブティックそれぞれのオフィスで過ごす時間が増加中。

自分の幸運を自覚することが、次の幸運を呼び寄せる

 フランスでは物の見方のたとえとして、グラスが半分、空だと思うのか、半分満たされていると思うのかによってポジティブとネガティブを象徴しますが、「私は満たされているほうを見る」とベランジェールさん。  たとえば、2004年の暮れには、相次いでご両親を亡くし、その後まもなく末っ子を出産した後にはまったく足が動かなくなり、脊椎の手術を受けたそうですが、そのとき彼女は「私の不幸は全部終わった。これから新しいアドベンチャーに乗り出せる」と思ったのだとか。  両親がひと月違いで亡くなったことについても、「これが1年後、2年後のことだったら、また新たに悲しみに浸ってそこから抜け出さなくてはならない。二人が同時だったのは幸運なこと」と、何事もポジティブにとらえて前進する女性なのです。
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華やかな帽子もしっくりとさまになるベランジェールさん

 ベランジェールさんが17年間ずっと続けていることがあります。それは南仏にあるカトリックの聖地ルルドでのボランティア。5月上旬の数日間、巡礼に来る体の不自由な人たちを24時間体制でお世話をすることです。 「私は人生にとても甘やかされていると思っています。生まれた環境、夫、素晴らしい子ども達、健康、財力。これは大変な幸運です。もちろん世の中には辛く苦しいことがあると頭ではわかっていても、実際にその中に身を置くことによって、自分が持っている幸せを本当に身にしみてありがたく感じ取ることができる。客観的にものを見ること。それが私の人生に深みをもたらしています」(ベランジュールさん)  我が道をゆくマダムたちの強さは、本当に素敵です。 【エリコ・バルト】 1969年東京生まれ。フジテレビのアナウンサーを経て、フリーに。2001年にバルト氏(化粧品会社経営)と結婚、パリに暮らす。現在は3児の母で、パリと東京を往復しながら各メディアで活躍中。パーソナルマガジン『セゾン・ド・エリコ 中村江里子のデイリー・スタイル Vol.11』が発売中 <文/女子SPA!編集部、撮影/武田正彦、ヘア&メイク/御幸 剛、コーディネート/鈴木春恵> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
女子SPA!編集部
大人女性のホンネに向き合う!をモットーに日々奮闘しています。メンバーはコチラ。X:@joshispa、Instagram:@joshispa
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