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出産を急いでない29歳娘、焦りまくる母との亀裂がツライ

母の思いは分かる。でも……

「それまで、両親はとてものびのびと私を育ててきてくれたということを、今でも感謝しています。でもだからこそ、今まで私という『個』を尊重してきてくれた母が、強制的に私に結婚や出産を急がせようとしていることが、私自身上手く受け入れられないのです」  不妊治療にも年齢によるタイムリミットがあるため、医学の進歩を持ってしても「子どもは産もうと思えばいつでも産める」という状況ではありません。若くして不妊に悩み、苦しんだ母が「同じ思いをして欲しくない」と子に願う気持ちは分かります。 「母が言う通り、後悔しても遅いという側面についても理解しています。それでも私は、よく考えた上で結婚や出産を急ぎたいとは思っていないのに。自分の理解者だった母が、このことだけは全く聞き入れてくれないのは悲しいです」 「結婚し、子を産むことだけが幸せではない」という風潮は、平成から令和になった今、より強まってきているようにも感じます。しかし、女性に出産の適齢期がある以上、確かに横澤さんのお母さんが言うように、「歳を取ってからではもう遅い」という後悔の可能性があるということは確かでもあります。子どもを欲しいと考える女性もそうではない女性も、この話には考えさせられるところがあるのではないでしょうか。 ―シリーズ「親としてのエピソード集」― <文/ミクニシオリ イラスト/ただりえこ>
ミクニシオリ
1992年生まれ・フリーライター。ファッション誌編集に携わったのち、2017年からライター・編集者として独立。週刊誌やWEBメディアに恋愛考察記事を寄稿しながら、一般人取材も多く行うノンフィクションライター。ナイトワークや貧困に関する取材も多く行っている。自身のSNSでは恋愛・性愛に関するカウンセリングも行う。Twitter:@oohrin
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