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7年間子どもができなくても、不妊検査をしない夫婦があったかい

 結婚をし、子どもを持たない人生を歩んでいると、周囲からネガティブな視線を向けられることも多くあります。たしかに子どもが欲しくてもできない状況だと歯がゆさや辛さを感じるものです。しかし、世の中の子なし夫婦の中には子どもを持たない人生に満足し、幸せな日々を送っている人も多くいます。  今回は「子どもはいらない」と話す37歳の既婚女性、梨花さんを取材しました。

どちらに不妊原因があるかは分からなくてもいい

パニック障害で知った夫の温かさ「お酒もタバコも嗜むオヤジ女です」と、自身のことを明るく語る梨花さんは気づけば子なし夫婦という状況になっていたよう。現在の旦那さんとは結婚すると決めていたため、同棲した頃から避妊をしていなかったと話します。「妊娠してもいいと思い、結婚生活も含めて7年くらい、そうした生活を続けていましたが、全く子どもはできませんでした。」  そうした状況だと、不妊検査が頭によぎる方もいるかと思いますが、梨花さんは産婦人科へ行こうと思わなかったそう。「どっちに原因があるのか分かるのは嫌だったので、子どもができないならできないでいいかなと思いました」。梨花さんのこの大らかさの裏には、夫への深い愛情を感じます。  もちろん、すべての夫婦に当てはまるわけではありませんが、これまで取材をした中で不妊検査により、どちらに原因があるのかが判明して夫婦仲がこじれてしまったという話はよく耳にしたことがあります。原因が自分にあることを知った側は自分を責め、パートナーに原因があることを知った側は「どう支えていけばいいのだろう……」と戸惑ってしまうことも少なくありません。

葛藤はなかったが、両親のことを思うと申し訳なさが…

 子どもがいない人生を歩むことの葛藤はなかったのか。そう尋ねた筆者に梨花さんは「夫婦共に子どものような性格なので、全く葛藤はありませんでした」と話します。  唯一、生きづらさや辛さを感じるとしたら、周囲の声を耳にした時や自分たちの両親の気持ちを考えた時。「周りから『早く子どもを……』と言われたり、親からも『早く孫を……』と言われたりすると、うるさいなと思います。でも、自分の両親や夫の親に孫を抱かせてあげられないんだなと考えると、申し訳なくなることはありますね。」
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パニック障害の自分が子育てをする不安も
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