――今回のドラマでは主演ですが、同じようなスタンスで?
たとえば今回は僕は、鶴見さんとバディという関係でご一緒しましたけれど、自分がもっとよく映ろう、鶴見さんの芝居が霞むくらい頑張ってやろうと思ったら、画面に写った瞬間に微妙にズレが生じるような気がするんです。芝居は成立しているけれど、なんかおかしいみたいな。そんなことを思うくらいならば、そのシーンのことを考えて、監督や共演者の人たちの思いもを受け止めて、作品に捧げたほうがいい。
そのもっと
作品を良くしたい思いで(自分やほかの人の評価)が勝手に上がっていけばいいと思うんです。作品を良くするための集中力が上がれば、芝居のクオリティーも上がっていくはずなんですよね。それが僕にとっての正解というか、これは僕が一番大切にしたいことですね。
自分の芝居よりも、作品が最高だと言われた方が嬉しい
――非常に合理的な考え方ですよね。いい作品であればみんなが注目するので、自ずと評価につながりやすくなるわけで。
芝居が良かったという言葉は、うれしいですが、
作品が最高だったと言われるのがもっとうれしいんですよ。もちろん僕を目的に観てくれる方々もたくさんいると思いますが、本当にいい作品、残っている作品は、最終的にみんな作品をちゃんと観て、いい映画だったね、いいドラマだったね、という話題になる。
その結果、誰それがいい芝居をしていたみたいな声につながればいいなと思っていて。僕らは作品を作って、それをお客さんに届けるという仕事だと思うので。
――反対に、課題や反省点みたいなものはありますか?
カッコつけないで生きていきたいと思いますね。自分を冷静に見た時に、
カッコつけたところで、すぐに見破られるなと。わかりやすい性格と言われるので、だったらカッコつけずに、自分ができることを全力でやって、助けてほしい時は助けてくださいと素直に言うことが、僕の人生にあっているのかなと思っています。
(C) U-NEXT/カンテレ
<文/トキタタカシ、ヘア&メイク/SHINYA(Primal art)、スタイリスト/壽村太一>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】トキタタカシ
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、
インスタグラムにて写真レポートを行うことも。