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鈴木杏樹、50歳の不倫。熟年バカップル不倫で狂い咲く心理とは?

「彼女が明るい星に見えた」

 妻のヨウコさんは、マジメな夫が相手の女性によって「堕落した」と嘆いた。 「あんなマジメな人が、自分から恋愛などするはずがない。相手の女にたぶらかされたに違いないんです」  彼女は当時、そう言って涙を見せた。ところが後日、ヨシヒロさんに話を聞くと、彼は妻の悲壮さに比べて明るい、照れたような笑顔で言った。 「妻とは親戚の紹介で結婚したんです。僕はほとんど恋愛経験がなかった。仕事には重圧もあったけど、ただひたすら任務をまっとうしようとがんばってきた。50歳を過ぎて定年も見えてきて、同時に自分はそれほど昇進しないこともわかった。でも定年までは今まで通りマジメに仕事をして生きていこうと思っていたんです。そんなとき彼女に出会ってしまった。  彼女が明るい星に見えたんですよね。惹きつけられました。常に胸がときめいて、今まで気にしたこともなかった季節感を体いっぱいに感じるようになって」 桜花びら 出会って恋に落ちてすぐ、桜の季節がやってきた。彼は生まれて初めて、「プライベートで」花見をした。しかも大好きな彼女と一緒に。はらはら落ちる桜の花びらに感動したという。  恋する者は、年齢を問わず感性が豊かになるのだろう。それが50歳を越えていればなおのことだ。分別ある大人だからこそ、分別のない恋に身を委(ゆだ)ね、狂い咲く。 「もはやなくなっていたとばかり思っていた性的な欲求も、彼女とひとつになりたい、彼女のすべてを感じたいという思いから、若いときのように元気になって……。性欲じゃないんです、あれは愛情の証なんです」  彼は真剣な表情でそう言った。

「妻といえどもそこには入り込めないはずの話」

 妻に気づかれ、非難されたことで彼の恋は終わった。当時、大学生だったひとり息子には、「おふくろを泣かせるなよ」と言われたという。彼は「面目ない、と言うしかなかった」そうだ。  たった半年の恋だったが、2年経った今も彼は心を縛られている。ごくまれに彼女と仕事がらみで顔を合わせると、今も胸が「本当に痛くなる」のだそうだ。 「形としての恋は終わったかもしれないけど、僕の思いは消えていません。それは妻への裏切りとか、そういうことじゃないんです。僕自身の問題であって、妻といえどもそこには入り込めないはずの話。僕はそう思っています。  もちろん、妻を傷つけるつもりはまったくないし、妻には感謝しているので、平謝りに謝ってもとの鞘(さや)に収まりましたが」 手をつなぐカップル いつかまた彼女と……という思いは残っている。恋という非常にプライベートなことには、厳密には配偶者さえ本来はとやかく言えないのかもしれない。  もちろん、配偶者の側からすれば怒りや悲しみしかないだろうが、夫婦がそれをどうやって理解しあうのか、あるいは理解しないのかは夫婦の問題である。逆にそこに不倫相手が入り込む余地はない。 「僕自身も当時は、バカップルだったでしょうね。彼女と恋人つなぎをして昼間のラブホ街を歩いたこともあります。恋して浮かれて楽しくて、本当に10代の男の子に戻ってしまっていたんですよね」  それは照れなくして語れないのだろう。彼はまた恥ずかしそうにニヤニヤしたが、熟年と言われるその年齢で、はたから「バカだね」と言われてしまうようなことをできたのは、案外、羨ましいことでもある。人生の先が見えてくる年齢で、最後にひと花咲かせたいと思っても不思議はないのだ。 <文/亀山早苗> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
亀山早苗
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio
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