鈴木杏樹、50歳の不倫。熟年バカップル不倫で狂い咲く心理とは?
「彼女が明るい星に見えた」
出会って恋に落ちてすぐ、桜の季節がやってきた。彼は生まれて初めて、「プライベートで」花見をした。しかも大好きな彼女と一緒に。はらはら落ちる桜の花びらに感動したという。
恋する者は、年齢を問わず感性が豊かになるのだろう。それが50歳を越えていればなおのことだ。分別ある大人だからこそ、分別のない恋に身を委(ゆだ)ね、狂い咲く。
「もはやなくなっていたとばかり思っていた性的な欲求も、彼女とひとつになりたい、彼女のすべてを感じたいという思いから、若いときのように元気になって……。性欲じゃないんです、あれは愛情の証なんです」
彼は真剣な表情でそう言った。
「妻といえどもそこには入り込めないはずの話」
いつかまた彼女と……という思いは残っている。恋という非常にプライベートなことには、厳密には配偶者さえ本来はとやかく言えないのかもしれない。
もちろん、配偶者の側からすれば怒りや悲しみしかないだろうが、夫婦がそれをどうやって理解しあうのか、あるいは理解しないのかは夫婦の問題である。逆にそこに不倫相手が入り込む余地はない。
「僕自身も当時は、バカップルだったでしょうね。彼女と恋人つなぎをして昼間のラブホ街を歩いたこともあります。恋して浮かれて楽しくて、本当に10代の男の子に戻ってしまっていたんですよね」
それは照れなくして語れないのだろう。彼はまた恥ずかしそうにニヤニヤしたが、熟年と言われるその年齢で、はたから「バカだね」と言われてしまうようなことをできたのは、案外、羨ましいことでもある。人生の先が見えてくる年齢で、最後にひと花咲かせたいと思っても不思議はないのだ。
<文/亀山早苗>
⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】亀山早苗
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio
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