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「俺、死にそう」 風邪なのに大げさな男性の言動には名前があった!?

「Man Flu(マン フル)」という英語表現をご存知でしょうか? Flu(フル)はインフルエンザ(Influenza)のことで、直訳は「男性インフルエンザ」という意味になります。
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写真はイメージです(以下同じ)

 その本当の意味は「病状を大げさにアピールしがちな男性がかかる風邪または軽度の疾患」(Oxfordより)とこと。  要するに、ただの風邪やカスり傷なのに「俺、悪性のインフルエンザに感染したかも」「もうダメだ。死ぬ!」などと、すぐに弱音を吐く男たちをディスった表現で、女性たちが夫やボーイフレンドに対し常日頃から抱いている不満がギュッと凝縮された表現なのです。

英国男性の3分の2以上が「Man Flu」体質

悩む男性あきれる女性「Man Flu」もしくは「Man Cold」(男性風邪)は、2000年代初頭から使われ始めた比較的新しい表現。 『マクミラン英英辞典 Macmillan Dictionary』によれば、2006年にイギリスの雑誌『ナッツ Nuts』が2000人以上の読者(大多数が男性)を対象に行ったアンケート結果をもとに、「Man Flu」がたんなる皮肉の表現ではなく「実存する症状である」という記事を掲載したことで、爆発的に広まっていったのだとか。  このアンケートでは、男性の64%、女性の45%が(インフルエンザなどの)感染症をわずらっていると主張し、男性は回復するために平均3日間かかると回答したのに対し、女性にわずか1日半で大丈夫だと回答したといいます。  まじめな医学的統計としての根拠はさておき、少なからず3分の2以上の英国男性が「女性より重症になりやすく、回復も非常に遅い」と思い込んでいると、この雑誌では結論付けられており、その症状に名称が付いたことで、「うちの夫ってどうしてすぐに具合が悪いとか言い出すのかしら」と不満に思っていた妻たちの溜飲(りゅういん)が下がり、この表現が広がったのでしょうね。

「ダメ男症候群」「生理中の男」という英語表現も

ロンドン イギリス 前述したとおり、「Man Flu」は『オックスフォード Oxford』や『ケンブリッジ Cambridge』といった由緒正しい英英辞典にも掲載されている表現だそうですが、アメリカではあまり知られた表現ではありません。  今回、記事を書くにあたって米国在住の主婦仲間に聞いてみましたが、誰もが「初耳」だと答えながらも、「いいフレーズだわ。確かに『お前は明日、死ぬのか?』ってくらい猛烈にアピールしてくる男っているものね」と感心しているようでした。  一方、「Man Flu」の意味を聞いて爆笑した米国人男性は、「そんな表現知らなかったし、言われたこともないけど、男が痛みや病気に対して大げさだと、女性に思われているのは知っているよ」とコメント。 ショックを受ける男性、悲しむ また、米国の名門、ハーバード大学メディカルスクールの発行する『ハーバード・ヘルス・パブリッシング Harvard Health Publishing』に寄稿した男性ドクターも、最近までこの表現は聞いたことがなかったといいます。 「その代わりにWimpy Man Syndrome(ウィンピー・マン・シンドローム:ダメ男症候群)と、冗談で言っているのは聞いたことがあります。もしも男性が出産しなければならなかったら、人類はとうの昔に滅んでいるだろう。男性は病気になるとか弱い患者役を演じ、回復するまで他者に頼る傾向がある」(『Harvard Health Publishing』より)  他にもイギリスでは、怒りっぽかったり、イラついていたりする男性にPeriod(生理)という言葉を使って「Man Period」または「Male-Period」という表現を使い「あなた生理中?」と言ったりするそうですが、これもアメリカでは聞いたことがありません。
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ウィルス性疾患は “本当”に男女で症状差があるとの結果も
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