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ヤンキーは永遠です!元レディース総長と『ティーンズロード』元編集長が語る

「なにその頭~」と、写真家・篠山紀信氏をイジる

中村すえこ氏

中村すえこさん。黒髪にひかえめなメイク、モノトーン調のシックな装いのすえこ氏に、会場中の注目が集まった

比嘉:すえこちゃんたちが誌面に出るようになってから『ティーンズロード』の売り上げが爆発的に伸びて、全盛期は20万部を売り上げた。レディースのコたちはテレビにも呼ばれるようになったよね。 すえこ:「紫優嬢」は、『週刊SPA!』の取材も受けました。写真家の篠山紀信さんに撮影してもらえるということだったんですが、当時の私たちは篠山紀信さんがどのくらいスゴイ人なのかを知らなくて……。 比嘉:みんなで先生の頭、こづきまわしたんだってね(笑) すえこ:当時の篠山先生はすごい大きな髪型をしていたから「なにその頭~」とか言って、撫でたり触ったりして(笑)。
週刊SPA!記事

篠山紀信氏撮影の『週刊SPA!』グラビア記事。このころのすえこさん(左上)はまだ下積み時代だった

比嘉:あとで『SPA!』の編集者に聞いたんだけど、撮影後、篠山先生がものすごく喜んでいたんだって。どこに行っても「先生、先生」と呼ばれていたのが、自分を知らないコたちに無邪気にイジられて嬉しかった、と。 すえこ:芸能人とか全然知らなかったんですよね~。『ティーンズロード』のおかげでメディアにも出るようになったけど、実は当時、自分がそこまで注目されていることはまったくわかっていませんでした。

“個の時代”でも「仲間を大事にすること」は大切

ヤンキーメイト

1980~1990年代をフィーチャーした“ぶっ翔びヤンキーカルチャーマガジン”『ヤンキーメイト』。(提供:ギャンビット)

比嘉:『ティーンズロード』は約10年続いたけど、その間にすえこちゃんは傷害で捕まって少年院に入ったり、「紫優嬢」を抜けたりと、いろいろあったね。 すえこ:それでも比嘉さんとのお付き合いはずっと続いていて、今にいたるわけです。今までこういったヤンキー系のイベントのお話をいただいても断っていたんですが。比嘉さんにはご恩がいっぱいあるので、『ヤンキーメイト』のインタビューも、イベントのオファーもお受けしました。 比嘉:当時、僕なんて“おじさん”って呼ばれていたけど、今はもう一緒にお酒を楽しむような年齢。もうずっとこの交流は続いているよね。
特攻服

すえこさん所有の「紫優嬢」特攻服

すえこ:今の若いコたちも、私と比嘉さんみたいな強い結びつきのある仲間を作れる人になってほしいな。今は“個の時代“と言われるようになったけど、仲間を大事にすることって大切なことだと思うんです。遊びに行くにしても「誰と行くのか」が重要。誰かと一緒に行動することで、それは思い出にもなるし。 比嘉:自分の思いを自分の言葉でしっかり伝える力を持っているすえこちゃん。13歳のころとちっとも変わっていないね。 (渋谷・東京カルチャーカルチャー「令和に夜露死苦! 書籍『ヤンキ―メイト』発売記念決起集会~伝説のレディース雑誌『ティーンズロード』を語り尽くす!!!~」イベントにて) ※     ※     ※  昨年12月に刊行した『ヤンキーメイト』には、さらに奥深い裏話が聞ける比嘉健二さんと3代目編集長との対談や、中村すえこさんのロングインタビューも掲載されている。1980~1990年代に思春期を過ごした世代には甘酸っぱい思い出をよみがえらせ、その時代を知らない若者たちにとっては新鮮に映っている当時の若者カルチャー。今後、ふたたび注目が集まりそうだ。 <文・写真/櫻井れき>
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