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春先の肌荒れは「花粉」が原因かも…対策を医師に聞いてみた

花粉皮膚炎って知ってる?

 ここまでは、この時期特有の花粉によるゆらぎ肌のお話。しかし、花粉による肌への影響はこれだけでなく、花粉がアレルゲンとして皮膚にダメージを与える「花粉皮膚炎」なる、トラブルも増えているのだそう。 花粉皮膚炎って知ってる?「これまで、『なんとなく花粉で肌荒れするよね』と指摘されていましたが、じつは花粉によるアレルギー症状が皮膚にも出る、ということが最近になって認知されてきたんです。本来であれば、花粉の分子は大きいので肌の内部にまで入っていきません。しかし、肌のバリア機能が低下していると内部に侵入し、炎症を起こしてしまう。赤みをおびた湿疹や目の周りなどに腫れぼったさが出たら、『花粉皮膚炎』の可能性があります」  皮膚科でアレルギー検査を行って反応がでれば、花粉皮膚炎と診断されるそう。しかし、花粉症の人が花粉皮膚炎になるというわけではなく、アトピーや乾燥肌など、もともとバリア機能が低下している人がなりやすいそうで、20~30代の女性が多いという報告も。治療法も気になります。

早めの受診が大切

早めの受診が大切「鼻水やくしゃみなど花粉症の諸症状が合併して出ている場合は、抗アレルギー薬を処方されることがありますが、基本的にはステロイド剤などの塗り薬で炎症を抑えていきます。スギやヒノキからはじまり花粉シーズンは意外と長く続きます。赤みや湿疹が続いているのにスキンケアだけでなんとかしようと思わず、早めに受診して、まずは治療をしましょう。そこから保湿メインのスキンケアに切り替えたほうがいいと思います」  最近の研究では、全身疾患に関わり、いろいろな臓器に影響をおよぼすと指摘されている花粉症。まさか、肌までもターゲットにするとは! 毎年のことなだけに、より忌々しいわけですが……今年は小林先生のところに例年にない相談が多く寄せられているとか。 「今年はマスクの皮膚トラブルを訴える方も多いんです。マスク内の湿気でニキビができたり、摩擦などの刺激で肌にかゆみがでたり、荒れてしまったり。新型コロナウイルスの影響で、仕事中、マスクが外せない方が多いですからね。保湿ケアをして、あとはマスクの中にガーゼを1枚はさむなどの対策はありますが……肌を刺激したくないからとマスクをしないわけにはいきません。本当に早く、収束してほしいですね」  いずれにせよ、私たちができるのは、肌のバリア機能を高めること。正しいスキンケアで肌をいたわって、春を存分に楽しめるときを待ちましょうか。 【小林智子(こばやし・ともこ)】 皮膚科専門医・医学博士。2010年日本医科大学医学部卒業後名古屋大学皮膚科入局。同大学大学院博士課程修了。 2015年よりアメリカ Northwestern大学でポストマスターフェローとして皮膚科の臨床研究に従事。帰国後は同志社大学アンチエイジングセンターにて糖化と肌についての研究を行う。食事と健康に関してレシピや情報などを医学的な立場から発信する「ドクターレシピ」を監修。著書に『皮膚科医が行っている極上肌の作りかた』『皮膚科専門医が教える 40代からの正しい美肌レッスン』(いずれも彩図社)公式サイト <取材・文/鈴木靖子>
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