春先の肌荒れは「花粉」が原因かも…対策を医師に聞いてみた
本格的な春が待ち遠しい季節ではありますが……「この時期、なぜだか吹き出物が出やすい」「ずっと使っている化粧品なのに刺激を感じる」なんて、お悩みを抱える人も少なくないのでは?
「この時期の肌トラブルは花粉が原因かもしれません」
そう指摘するのは、皮膚科専門医の小林智子先生。花粉と肌トラブルについて、お話を伺いました!
「春先にかけても肌は乾燥し、バリア機能は低下しています。そこに、花粉という刺激が加わってニキビや吹き出物で肌が荒れたり、肌が過敏になったり、肌がゆらいでしまうんです。対策として肌のバリア機能を高めるのが大切です」(小林智子先生、以下同)
まずは、なにをおいても「保湿」。気になるところに、オイルやクリームをオン!するだけでも肌の状態は違ってくるそう。
「とくに、目の周りのケアですね。花粉で肌がゆらぎやすい人は、くしゃみや鼻水、目のかゆみなど他の症状をともないやすいんです。外出時はマスクやメガネをして顔を保護して粘膜症状を抑えて欲しいのですが、くしゃみや鼻水はマスクで防ぐことができても、目はなかなか物理的に守ることができません。目の周りはもともと乾燥しやすいうえに、こすったり、さわったりすることで、さらにバリア機能が低下してしまうので、念入りに保湿してあげてください」
肌に刺激を与えないことも重要で、洗顔はぬるま湯でいつも以上に優しく。古い角質を除去するピーリングなどのケアはお休みをし、アルコールやレチノールなど肌が刺激を感じやすい成分が含まれるものは避けたほうがいいそうです。
さらに、「肌が敏感になっているときは、使っているスキンケアアイテムの数を減らすのもひとつの方法です」と小林先生。でもさっき、保湿が第一って言いましたよね!?
「もともと日本人って、世界的に見ても使用しているスキンケアアイテム数が多いんです。化粧水に乳液、美容液にクリームを使い、さらにアイクリームも塗って……というのは、他の国にはない文化。しかし、アイテムを増やした分だけ、保湿力が上がっていくというものではありません。むしろ、肌を叩くように化粧水をパッティングし、乳液やクリームを強く肌にすりこむ。それが肌の摩擦になって、トラブルの原因になるというケースが多いんですよ」
良かれと思いやっていたことが、むしろ逆効果!? 効果を期待して使っていた化粧品が肌トラブルを招いていたとしたら悲しすぎる……。
「もともと、肌の角層の中にはセラミドを主成分とする細胞間脂質が水分をためこみ、表面の皮脂が肌を守ってくれています。あくまで化粧品はそれを補うもの。化粧品ですべてを補填するのは難しいんです。もちろん、ひとつひとつのスキンケアアイテムの保湿成分は大事ですが、むしろ、肌本来の保水力を高めることを大切にしてもらいたいですね」
花粉の刺激が肌トラブルに
スキンケアのアイテム数を減らす

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