夫の浮気に気づいた妻が「やってはいけない聞き方」。冷静な態度でも逆効果に|ドラマ『夫婦が壊れるとき』
稲森いずみが、不倫夫に復讐する妻を演じる『夫婦が壊れるとき』(日本テレビ系、金曜深夜24時30分~)が注目を集めています。原作は2015・2017年にイギリスでオンエアされて大評判となった『女医フォスター 夫の情事、私の決断』(原題『Doctor Foster』)。2020年には韓国でもリメイクされ高視聴率を誇りました。
夫婦関係や不倫、夫婦間の“復讐”について著書多数の亀山早苗さんが、話題のドラマを読み解きます(以下、亀山さんの寄稿)。
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ドラマ『夫婦が壊れるとき』第4話は、妻と愛人の対決から始まった。陽子(稲森いずみ)のクリニックに突然やってきた理央(優希美青)は、夫・昂太(吉沢悠)の愛人だ。理央は陽子を挑発するような言葉を並べ立てた。だんだんイライラしてくる陽子だが、検査で彼女が妊娠していることを知る。衝撃を隠して、それを伝える陽子。
朝からそんなことがあった陽子は、この日、心乱れる一日を送り、仕事帰りに芽衣(結城モエ)のバイト先のバーに寄る。芽衣に夫を尾行してもらったことで夫の浮気が発覚したという経緯があるのだ。
そのバーで再会したのはその日、朝一番でクリニックに来ていた男性。理央のせいで順番が狂い、診察することはできなかったのだが、彼は脳腫瘍があって手術もできない状況だとわかっていながら、怖くて言えないまま結婚してしまい、妻が妊娠したところで現在、苦悩していた。陽子は「嘘は裏切りです」と断定する。

画像:日本テレビ『夫婦が壊れるとき』公式サイトより
正妻と愛人のひりひりするような空気感
帰宅した理央が引き出しを開けると、そこにはすでに妊娠判定が出ている市販のキットがあった。彼女はわかっていて陽子を挑発するために出向いたのか、あるいは妊娠していることが怖くて確認をとりにいったのか。いずれにしても妻である陽子にショックを与えることはわかっていたはずだ。 妻と愛人のひりひりするような空気感に息がつまりそうだ。
過ちが裏切りなのではない、嘘が裏切りなのだ
その後、芽衣がバイトを休むという連絡が入り、陽子は彼女の家に行ってみる。懸念したとおり、暴力彼氏からDVを受けていた。男に啖呵(たんか)を切って芽衣を救い出したが、彼女は「私が見捨てたら彼は本当にダメになってしまう。私が立ち直らせる」と言う。DVを受けている女性ならではの思考に、彼女は陥っていた。別れなさいという陽子に、芽衣は「そんな簡単なもの?」と疑問を投げかける。 過ちが裏切りなのではない、嘘が裏切りなのだ。そう思いながらも、芽衣の言葉で自分が昂太と別れたくない気持ちになっていることも自覚した。