DVで妻子に逃げられたのに「俺は被害者だ」という夫。離婚後も続く“地獄のような嫌がらせ”<漫画>
「共同親権」の導入を柱とする改正民法などが5月17日に、国会で成立しました。この共同親権の導入をめぐって、X(旧Twitter)上では「#共同親権を廃案に」「#STOP共同親権」のタグが連日トレンド入りし、多くの反対署名が集まっていました。
これらの「共同親権への反対」がどれほど深刻で切実なものか、場合によっては子どもの命にさえ関わる事情や背景を、実は理解できていないという方も少なくないのではないでしょうか。
今回は、元夫からのDVから生後3ヶ月の子どもを連れて逃げ、約5年かけて離婚を成立させた体験を漫画化している「ねこ★はち(@8FWktKqQjlp9cXU)」さんに、お話を聞きました。離婚後も元夫に長年苦しめられているというねこ★はちさんは、共同親権への反対を主張しています。
【前回記事】⇒「夫に首を絞められ、赤ちゃんの上に倒れた」DVで離婚した女性が“国に今すぐやめてほしいこと”<漫画>
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――ねこ★はちさんは元夫のDVでお子さんを連れて家を出てから、離婚が成立するまでに、約5年かかったそうですね。
ねこ★はちさん(以下、ねこ★はち)「夫は世間体を気にするので、すんなり離婚はできないだろうなと思ってはいました。なので、離婚を決めてから、すぐに女性センター(※)と警察へ相談に行き、保育園探しや就職活動をしつつ弁護士探しをしました。一人で夫と戦う自信も気力もなかったからです。(※編集部注:都道府県・市町村等が自主的に設置している女性のための総合施設)
夫は一貫して『病気の嫁が子どもを勝手に連れ出した。被害者は自分』ということを主張していました。離婚調停を起こしたのですが、不成立となり離婚裁判となりました。離婚裁判で離婚が認められたのですが、夫が上告をしたので離婚が成立するまでに約5年かかりました」

――ワンオペで小さな子を育てながら、裁判所に通うのはかなり大変でしたね……。
ねこ★はち「離婚調停を申し立てたら、元夫から『夫婦関係調整調停』と『面会交流調停』を申し立てられました。
裁判ではなく調停なので夫は弁護士を立てず、お金も申立てに関わる最小限の数千円程度で済んだはずです。私はそれぞれの調停で弁護士費用がかかりました。何より、働いて子どもを育てながら、複数の調停を抱えて、裁判所に通うのはとても辛かったです。
それに弁護士を立てたら立てたで、弁護士事務所には義母と元夫の両方からクレームの電話が入ったそうです。さらに元夫からは『悪徳弁護士にだまされている』と何度も連絡が来ました。かなりの費用はかかりましたが、弁護士がいなければ乗り越えられなかったと思います。
離婚から数年経ってようやく、当時の話を少しずつできるようになりました。今でも思い出すと心と体が苦しくなって、動けなくなることがあります」

「自分は子どもを連れ去られた被害者だ」

弁護士にまでクレームの電話を入れる夫
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