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「夫に首を絞められ、赤ちゃんの上に倒れた」DVで離婚した女性が“国に今すぐやめてほしいこと”<漫画>

「共同親権」の導入を柱とする改正民法などが5月17日に、国会で成立しました。この共同親権の導入をめぐって、X(旧Twitter)上では「#共同親権を廃案に」「#STOP共同親権」のタグが連日トレンド入りし、多くの反対署名が集まっていました。 ですが正直なところ、離婚や親権の問題にまったく関係のない立場の場合、彼女/彼らの「反対理由」までは深く知らないという方も多いのではないでしょうか。それがどれほど深刻で切実なものか、場合によっては子どもの命にさえ関わる事情や背景を、私たちは理解しておく必要があります。 共同親権の賛成派の中には「子どもの連れ去り防止」を唱えている人も目立ちますが、育児中の親が子どもを連れて出ていかなくてはならないケースには、どのようなものがあるのでしょうか。 今回は、元夫からのDVから母子共に逃げ、約5年かけて離婚を成立させた体験を漫画化している「ねこ★はち(@8FWktKqQjlp9cXU)」さんに、お話を聞きました。ねこ★はちさんは自身の体験から、共同親権への導入に反対の立場です。 【漫画すべて読む】⇒画像をタップすると次の画像が見られます

ねこ★はちさんのブログ「シングルマザーあるある~元夫が怖すぎます」より(以下同じ)

共同親権が子どもやDV被害者に危険をもたらす可能性

「共同親権」とは、父親と母親が共同で子どもの親権を持つことを指します。共同親権が導入されると、離婚後も子どもの生活に関わる事柄について、父親と母親が平等に決定できるようになります。たとえば、「どこに住むか」「どの学校に通うか」「健康管理の方針」などについては、父親と母親で話し合い、共に決定していきます。これにより、離婚後も子どもと両親の関わりが増え、子どもの愛情や成長が形成される、とされています。 しかし、共同親権にはいくつかの懸念も存在します。たとえば、離婚後も親同士の意見が合わない場合、子どもの教育や生活に関する決定がスムーズに行えないことが挙げられます。また、離婚の理由が配偶者のDVや子どもへの虐待である場合、共同で親権を持つことが子どもやDV被害者に危険をもたらす可能性もあります。 DV被害を受けている場合は単独親権が認められますが、そのためにはDVや虐待の事実を家庭裁判所に認めてもらわなくてはならず、そのハードルはかなり高いといいます。また、証拠が取りにくい精神的DV、モラルハラスメントなどについては、裁判所がDVや虐待の事実を正確に判断するのが難しいとの指摘もあります。

妻の言うことを聞かない夫に「病院へ行け」と言われ続けた

――改めて、ねこ★はちさんが離婚を強く決意されたタイミングを教えてください。 ねこ★はちさん(以下、ねこ★はち)「婚姻中から『元夫と会話が成立しない』、という状況でした。夫は帰宅後、水で一瞬しか手を洗わないので『ハンドソープで手を洗ってほしい』とお願いをしたことがあります。当時飼っていた猫が病気になったので、外からの菌をできる限り持ち込まないように気をつけていたんです。ところが丁寧にお願いをしても、『潔癖症なんじゃないの?』『病院に行った方がいい』と言われ続けました。 日常的に、私になにか言われることが気に入らないみたいで、私の言うことは聞かない。さらに、自分のルールも絶対に変えない人でした。妻は夫の言うことを聞くのが当たり前で、私がなにか話しても鼻で笑うか、バカにした返事をするだけです。お願いをすれば、病気扱いをされていました」 「シングルマザーあるある~元夫が怖すぎます」
「シングルマザーあるある~元夫が怖すぎます」

※新型コロナ流行よりかなり前の話です

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夫に首を締められ、赤ちゃんの上に倒れた日
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