NHK朝ドラ『風、薫る』の威厳ある病院長は筒井道隆(55)。『あすなろ白書』の“おどおど青年”から激変した圧倒的存在感
見上愛と上坂樹里W主演の連続テレビ小説『風、薫る』(NHK)で、筒井道隆演じる病院長・多田重太郎が最初、悪役的雰囲気をまとっていた。
院長室の椅子に固定されたかのような、不動の存在感。威厳。管理を徹底する院内ガバナンス。主人公たちに立ちふさがる、大きな壁となっていたが、本当は心優しい一面も持ち合わせた人だった。
1990年代、トレンディ俳優時代の筒井道隆は、心優しい人物を演じることが多かった。多田重太郎役は、長いキャリアの変化の中で、筒井から新たな魅力を引き出している。 “イケメン研究家”加賀谷健が解説する。
とはいえ、多田はあからさまに横柄であるわけでも、偉ぶっているわけでもない。彼は大学病院全体を管理する立場であり、常に冷静沈着な態度で、あくまで物事を客観的に判断する。全ては組織を維持し、発展させるためなのだ。
初登場は第7週第31回。場所は院長室。看護実習生だったりんたちと対面する。椅子に座る多田は、デスクの上で両手を置き、厳めしい表情で眉間に皺を寄せていた。まるで椅子に固定されたかのような、不動の存在感が彼の基本姿勢だ。
そして会話する相手との間に常にデスクがあることで、物理的距離感がうまれ、近寄りがたさがある。
どこか悪役感すら漂わせていた。実際、院内では用務員・柴田万作(飯尾和樹)にスパイをさせているのではないかという疑惑もあった。
でも違った。第18週第86回では、多田と柴田が幼馴染みであることが明かされ、心優しい一面が描かれた。
横柄な態度だった医師たち
『風、薫る』の主人公である一ノ瀬りん(見上愛)と大家直美(上坂樹里)が、看護科の取締として働いた帝都医科大学附属病院の医師たちは、随分と横柄な人たちだった。中でも外科の面々は最初、りんたちをあからさまに見下してきた。 外科は院内の花形である。病室を一斉に回る総回診の時間になれば、我が物顔で廊下をぞろぞろ闊歩する。自分たちは地位があり、偉い。先頭に立つ外科教授・今井益男(古川雄大)はそう言いたげだ。 りんが意見しようものなら、軽く鼻で笑う。だが、日本の看護のパイオニアである彼女たちの働きぶりを見て、そうした外科医だけではなく、他科の医師たちも次第に心を動かされ、横柄だった態度が協力的な姿勢に変化していく。院内を取り仕切る院長・多田重太郎(筒井道隆)もその一人だった。










