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「まさに奇跡」英ロックスターが “旅立つ17日前”に見せた感動のステージ。愛妻の執念で実現

 7月22日に76歳でこの世を去った「メタル界の帝王」オジー・オズボーン。7月初めには、かつて活動していたイギリスの伝説的バンド「ブラック・サバス」のオリジナルメンバーと再結成を果たし、演奏を披露したばかりだった。  健康状態が悪化し、すでに歩くこともできなかったというオジー。最後のステージが実現できたのは、妻シャロンの舞台裏での奮闘があったからだという。

昔のオジーとはまるで別人だった

オジー・オズボーン

死去した「メタル界の帝王」オジー・オズボーン

 7月5日にイギリス・バーミンガムで開催された音楽イベント「バック・トゥ・ザ・ビギニング」に出演したオジー。かつて所属していたブラック・サバスのメンバーであるギーザー・バトラー、トニー・アイオミ、ビル・ワードと20年ぶりに再結成を果たし、自身の地元バーミンガムで最後の演奏を披露した。  ただ、オジーがこのステージに立つのは決して容易なことではなかったようだ。長年にわたるパーキンソン病との闘病生活の末、もはや歩行も困難で、立っていられない状態だったという。実際、今回一緒に出演した元メンバーのギーザー・バトラーは英紙『サンデー・タイムズ』に寄せた追悼文の中で、こう振り返っている。 「彼の健康状態が良くないことは知っていたが、その衰弱した姿を見て衝撃を受けた」 「リハーサルの時には、2人のヘルパーと1人の看護師に付き添われ、杖を使いながら部屋に入ってきた」 「彼は座りながら歌っていたが、6~7曲ほどでかなり疲れた様子をみせていた。以前はよくしゃべっていた彼が、とても静かだった。昔のオジーとはまるで別人だった」

妻の執念と集中力の賜物

 さらに、当初は保険会社の反対もあったようだ。パーキンソン病で歩行もままならなかったオジーの場合、ステージ上での転倒や事故などのリスクが高いことや、それによって巨額の賠償が生じることを保険会社が懸念していたそうだ。  関係者は英紙『サンデー・ミラー』に対し、「オジーは必死にリハビリを続け、少なくとも立ってファンに手を振れるよう努力していた」と明かしている。 「公演に出られない可能性もあった」そうだが、オジーの妻シャロンが、ステージ上に固定された特製の「玉座」(スローン)を用意し、安全に座ったまま出演できるようにすることを提案。「リスクの低減策」を示したことで保険会社との合意に取り付けたという。関係者は「これはシャロンの執念と集中力の賜物。まさに奇跡のようだった」と称賛している。
 ブラック・サバスのオリジナルメンバーの他にも、メタリカ、スレイヤーといった豪華なバンドやミュージシャンも参加した「Back to the Beginning」。ヘヴィメタルの歴史に残るチャリティイベントで、オジーのラストステージを実現するため、シャロンは保険会社と難しい交渉を行い、安全な形でショーを成立させた。  妻の気持ちに応えるように、ステージを無事に務め上げたオジー。大観衆の前で感動的なパフォーマンスを披露し、最後の曲「パラノイド」を演奏する際には、ファンにこう語りかけ、別れを告げた。 「ブラック・サバスのメンバーの代表として、そして俺自身からも、ひと言伝えたい。長年にわたり、みんなが応援してくれたからこそ、俺たちは素晴らしい人生を送れた。心の底から感謝している」  オジーのラスト公演となった「Back to the Beginning」の様子は、2026年初頭に映画化される予定。
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「公演からわずか数週間後に旅立つなんて」盟友も悲痛
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