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『サンモニ』批判が止まらない本当の理由。「反日」以前に“正解を確かめ合うだけ”の空気に視聴者が飽きた

 『サンデーモーニング』(TBS系)の政治コメントはなぜつまらない炎上を繰り返すのでしょうか? 正義と理想を熱く語る言論は、なぜこんなに無力になったのでしょう?  9月6日の放送でネパールの大洪水について、フォトジャーナリスト、安田菜津紀氏が温室効果ガス排出国である日本にも大きな責任があるとコメントしたところ、批判が殺到。「日本の10倍排出してる中国の責任は?」と指摘されました。  またこれを取り上げたネット記事には、「この番組はそういう(筆者注:反日的な)番組だと告知して放送すべき」と、なかばあきれたようなコメントに多くの共感が集まっている状況です。

サンモニ炎上の背景にある、本当の問題

『サンデーモーニング』(TBS)公式ページより

『サンデーモーニング』(TBS)公式ページより

 今回の安田氏の発言の前には、歌手の加藤登紀子氏が北方領土について日本政府の見解と異なる意見を述べたことが大きなニュースになりました。こちらも、同様に「反日」、「左翼」的だとして、激しい批判にさらされています。  このように、口を開けば叩かれる状態のサンモニですが、筆者は「反日」とか「左翼」的なのはひとつの芸風であり、番組のカラーとして否定されるべきものではないと考えます。それこそ、観たければ観ればいいし、嫌なら観なければいいだけの話です。  しかし、問題は、このように炎上を繰り返しているうちに、そのためのネタとして生け贄にされてしまうことです。すると、その芸風自体の信用が失われてしまうことになるのです。  もちろん、コメンテーターたちはみんな真面目です。数少なくなった硬派な報道番組の最後の砦として、そして、保守色を強める高市政権の暴走を食い止める防波堤よろしく懸命に踏ん張っていることは、画面越しに伝わってきます。

真面目すぎるサンモニが陥った「一本調子」

 けれども、サンモニは真摯さゆえに自滅しているように見えます。なぜなら、スポーツコーナー以外の番組の流れがすべて一本調子で、世界情勢を深刻に憂慮するだけの空気に支配されているからです。  こう言うと、「硬派な報道なんだから当たり前だろう」と反論されるかもしれません。特に、芸能や食べ物の話題ばかりの情報番組であふれ返るいま、サンモニの取り組みは称賛されるべきだろうと。筆者も、基本的にはその意見に賛同します。日本のテレビは朝から晩まで食べ物とアイドルのことを流しすぎです。  けれども、サンモニの生真面目さは、それを考慮しても、あまりにも一方通行なのです。どういうことかというと、まず4人ほどのコメンテーターがいても、意見はほぼ一点に集約されてしまうのです。  なぜなら、番組のご意見番である評論家の寺島実郎氏が、「対米従属から脱することのできない日本政府」に喝を入れることがもっとも重要な瞬間だからです。これが『水戸黄門』の印籠のような機能を果たすという、お決まりのパターンが出来上がっているのですね。  他の論客がそれぞれ持論を展開しても、最終的には寺島氏の結論に向かう道を整備する役割を果たすのみ。そこには激しい意見の対立もなければ、異なる価値観が交錯する緊張感もありません。  つまり、観る前から「はいはい、サンモニね」とツッコまれてしまう下地を、他でもない出演者がせっせと作っている状況なのです。だから、みんながすでに知っている正解を確かめ合うだけのミーティングに付き合わされている感覚に陥るのですね。  すると、最初は真剣に取り合ってもらえていた強い言葉も、視聴者はその刺激に慣れてしまい、価値を失っていく。結果、最後に残った価値は、ネット炎上にネタを供給するだけの役割。
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正しさの側にいるという“自惚れ”があったのでは
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