女社会の航空業界。ボス先輩の合コンをドタキャンしたら、翌日あらぬ噂が…
こんにちは。ライターの高木沙織です。
かつてグラホ(グランドホステスの略、現在のグランドスタッフ)として6年間勤務してきた私。みなさんも空港で接する、航空会社の地上職員です。
前回はチェックインカウンターでパスポートチェックをしていて、一番多かったトラブルについて紹介しました。みなさんパスポートを持っていく際はちゃんと、中身まで確認しましょうね。
【第19話】⇒空港でよく起こるパスポートトラブル。「忘れなければOK」じゃない
今回の20話は、女性社員がほとんどだった当時の私の勤務先で、仕事以外にもあった女同士のいざこざををお話します。
自分で言うのもなんですが、「航空会社で働こう、そして実際に狭き門をくぐって採用を勝ち取った!」、という人は肝が座っていて意思がしっかりしています。というか、気が強い。そうでないとやっていけないところがあるから大事なことだけど。
そのぶん仕事以外でも衝突することが多々ありました。私が入社数ヶ月後に先輩から一喝されたのも合コンが理由だったし。
あれは確かOJT(現場研修)が終わりひとり立ちした後のこと。
私は出発班のなかの2班に配属が決まりました。この2班というのがまぁ、怖い先輩の巣窟で。同期のあいだでも誰が2班にいくのかと発表されるまでヒヤヒヤもの。
そんな2班に決まってしまったものだから、「難しいチェックイン、来ないで!」という業務への緊張と、先輩に迷惑をかけてはいけない(怖いから怒られたくない)という気持ちでハラハラしながら過ごす日々です。
特にビクビクさせられたのが後輩だけでなく、先輩間でも恐れられていたH先輩の存在。例えるなら女子校のボス。「この人に嫌われたら班内で居心地が悪くなるな」と危険を察知するセンサーがビンビンに反応します。私もなるべく近付かないでおこう(失礼)と思っていたのだけど……。
ある日、「高木ちゃん、まだ決まってないんだけど多分○日の夜に合コンがあるから来てね。ほかの2班の子にも声かけるから」と誘われてしまったのです。内心、「うわ、行きたくない!」ですよ。だって、人伝に聞いたH先輩が参加した過去の合コンの話がエグかったから。
しかし、提案された日は2班メンバーのシフトにバッチリ合った完璧なスケジュール。計画性、バッチリですね……。
その日がしばらく先だったこと、それにまだ確定していなかったこと。人付き合いが苦手な一面がある私は断わるいい理由が思い浮かばず、「はい、ありがとうございます」と返事をしてしまいます。
恐怖の合コンに参加すると言ってしまった…。H先輩の前でどのように振る舞えばいいのか? 厄介なことにならないためには? いろいろ考えたし、行かなくてはならないと覚悟もしていたのだけど、どういうわけか一向に詳細が伝わってきません。
「これはもしや、なくなった?」と胸を弾ませ、すっかりその話を忘れてしまいます。
終業後にロッカーで着替えをしていると、「高木ちゃん、◯分の電車に乗る?」とK先輩。私は車通勤なので、「?? 車で帰りますよ」と答えると、「え? 今日の合コンは?」!!
そう、合コンは当初の予定通り開催が決まっていたのです。はい、間違いなく確認しなかった私が悪いです。ちなみにほかの参加者にはしっかり連絡がいっていたそうで、忘れられていた?のかな。どちらにしても猛省です。
言いわけになってしまうけど、その日は合コンに行くような服でもなく(心の準備もできてない)、時間も迫っているし、意を決して心からの謝罪と断りの連絡を……。ドタキャンだなんて、最悪だ。
すでにお店に向かっていたH先輩に電話。多分、顔面は蒼白だった。ビクビクと話す私に「そっか、わかったよー」と、その反応は意外なものでとっても優しかった!
「なんだ、良い先輩じゃないか」、むやみやたらに怖がっていた自分を恥じました。
合コンに誘われるも……行きたくない
当日まで連絡なしで、すっかり忘れる

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