空港勤務の女性を襲った冬の悲劇。体がガタガタ震えとまらない…
こんにちは。ライターの高木沙織です。
かつてグラホ(グランドホステスの略、現在のグランドスタッフ)として6年間勤務してきた私。みなさんも空港で接する、航空会社の地上職員です。
華やかな空港グランドスタッフ、「トイレ行きたい!足が臭い!」という本音
今回の18話では、12月は一年の疲れがドッと出る季節。そこに寒さも加わるわけだから、体調を崩しやすくなりますよね。年末年始に海外旅行を計画している人はどうぞお体を大事になさってください。
今、「グラホのみんなは旅行に行かないの?」、と気遣ってくれたそこのあなた。ありがとうございます。はい、今も昔も、この時期のグラホは繁忙期につき過酷な日々を送っていることでしょう……。
グラホの仕事(冬)は体力勝負、いや喉が勝負かもしれません。これは、一日のフライト数にもよりますが、私が勤務していた航空会社はそこそこ多いほう。加えて全便満席に近い状態であることが普通だったので、朝のカウンターオープンからその日の最終便のチェックインが終わるまで常にチェックインカウンターが開いており、お客様が途切れることはほぼありませんでした。
つまり、朝からずーっとチェックイン。お客様と話し続けるんですね。外資系航空会社だったので、日本語だけでなく英語やその国の言語で。ゆっくり話したり、早口で話したり、舌を巻いて話したり……、とにかく口・喉が大忙し!
チェックインを続けていると喉がカラッカラなわけです。だからと言って、お客様が目の前に並ぶチェックインカウンターでゴクゴクと水を飲むのに当時の私はなぜか罪悪感を覚えていて、無駄に我慢していました。ほんの一瞬、しゃがんで飲めばいいのに。
しかも、空港内って冬でも半袖の制服でいいくらい暖房が効いていて乾燥しているんですよ。暑がりな私は通年半袖で、「ジャケット支給されてるよね?」、とみんなにからかわれていましたから。とにかくしゃべりまくり&乾燥しまくりで喉はピンチ。
マスクをしたらいい? 当時は余程の理由がない限り、「マスクは外せないの?」、と注意される時代でした。
誤解がないように言っておきますが、私、チェックインが大好きでした。さらにちょっと自慢させてもらうと、正確で早かったの。ということは、人よりも多くチェックインをこなすことになりますよね。
最初に年末年始に海外旅行に行く人、と話しましたが、この時期は旅行者の増加にともないチャーター便も出るため通常よりも300人、多いとその倍ほどのお客様のチェックインをするのだからもうチェックイン祭りです。
そして、私は大いに張り切っちゃう。だから、午後になると声はガッサガサ。日本語はまだましで、英語はより伝わりにくくなるからお客様から、「Please say it again.(もう一回言って)」、と何度言われたことか。もともとの発音の問題? それは置いておきましょう。
とにかく喉を酷使する毎日です。5勤2休のシフトが基本ではありましたが、勤務初日にこれをやってしまうとあと4日が大変。「喉から血が出るんじゃないか」、と思ったことがあるのは私だけじゃないはず。
前回はグラホの休憩時間の過ごし方事情をご紹介しました。まずはトイレに一目散、そしてご飯を高速でかき込んで、歯磨きにメイク直し、すぐに業務に戻るという慌ただしい日々を送っていました……。
【第17話】⇒グラホの冬は喉が勝負!
でも、チェックインが好き
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