土屋太鳳&満島真之介が声優に。話題のアニメ『僕だけがいない街』監督を直撃
29歳の藤沼悟は彼にしか起こり得ない不可思議な現象“リバイバル(再上映)”によって、母を殺されたことをきっかけに10歳のころにタイムスリップして……。伏線に次ぐ伏線の連続で、「マンガ大賞」や「このマンガがすごい!」に2014年、2015年と2年連続ランクインした“時間逆行”サスペンス、『僕だけがいない街』がテレビアニメ化し、放送中です。
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少年・悟のボイスキャストに土屋太鳳、大人の悟に満島真之介を配したことでも話題の本作で、監督を務める伊藤智彦さんにアニメ化の経緯、そして声優初挑戦の俳優二人の印象について聞きました。
――人気のコミック、しかも連載中の作品のアニメ化ですね。
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伊藤:単行本の2巻が出たあたりで、制作スタッフの渋谷くんという子からおもしろい漫画があると原作を渡されまして、これはおもしろい! と。先の読めない展開と、ノスタルジック感に惹かれて、「やりたい!」と自分から企画を提案しました。
連載中ということに関しては、原作の終わりとアニメの最終回がほぼ同時期になりそうで。俺としては当初はそこまで考えていませんでしたが、結果的にベストなタイミングで動くことができました。
――最終回は原作と同じになるのでしょうか。
伊藤:単行本の4巻が出たくらいのとき、原作の三部けい先生に「だいたいこう終わると思います」と内容を伺ったんです。作品自体を好きな者としては、先に知ってしまった! という悲しみみたいなものもありましたが(笑)、細かい違いはあると思いますが、おおむね最後のシチュエーションは同じ方向に落ち着くと思います。
――主人公の悟に土屋さんと満島さんを選ばれた理由は?
伊藤:悟という役は、主人公ではあるけれど、ヒーローではないんです。ヒーローっぽさは消したいけれど、主人公としての何がしかの存在感は欲しかった。選択肢に幅を持たせる意味で「実写の俳優さんも含め、誰か良い人はいないだろうか?」と探していたところ、おふたりの名前が候補に挙がったんです。実際にいろいろと声を聞かせてもらったところ、これまでにない感じでとてもよかったので、おふたりにお願いすることに決めました。
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――アフレコの際、印象に残っていることを教えてください。
伊藤:俳優さんを起用する場合、スケジュールの関係でひとりだけでアフレコをすることが多いですよね。でも俺はそういうのはイヤで、ふたりにもほかの声優さんたちと一緒にアフレコしてもらいました。ふたりともとても熱心で、休憩時間にはスタッフ側のブースに来て、いろいろ質問してご自身の中でフィードバックしていました。
――本作でチャレンジしていることを教えてください。
伊藤:話としては暗い場面も多いので、絵は地味なものが続かないようにしようと。物語全体にはノスタルジック感がありつつ、絵作りに関してはあくまでも2016年の作品になるように。音響に関してもかなりこだわっていて、ハリウッド的というか、海外ドラマ的な、不穏な感じをより煽る付け方をしています。それから原作には最大限のリスペクトをしていますが、遠慮はしないというのが、今回の基本姿勢です。
――アニメーション監督に興味を持ったきっかけは?
伊藤:『新世紀エヴァンゲリオン』ですね。最初に作り手を意識した作品でした。あと大きいのは、細田守監督の存在です。『時をかける少女』と『サマーウォーズ』で助監督をやらせていただきましたが、納品の瞬間まで自分のビジョンに近づける、もしくは超えてやるという姿勢を見せてもらいました。それから業界に入ったばかりのころについた監督も俺の師匠のひとり。当時はいちいち細かい人だと思ってましたけど(笑)。
――クリエーターを続けてきた中でつらかったことは?
伊藤:嫌なことは忘れる性質なので。どちらかというと仕事よりも、女の子に振られたりしたことのほうが辛かったですね(笑)。仕事にも影響が出ますし。メンタルはとても重要ですから。でも結婚したので、今はとても安定しています。
<PHOTO,TEXT/望月ふみ>
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「僕だけがいない街」はフジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送中
(C)2016 三部けい/KADOKAWA/アニメ「僕街」製作委員会
オフィシャルサイト http://bokumachi-anime.com/
原作ファンなのに最終回を先に知って悲しい…
土屋さんと満島さんの声優はこれまでにない感じ
原作をリスペクトしているが、遠慮はしない
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi