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EXILE系の出るCMが、ぜんぶ“俺らのPV”になってしまう不思議

 いまさらですが、コマーシャルの目的は、企業イメージや商品のアピールポイントを効率的に伝えること。そうした中で、人気タレントの発信力を借りるのも一つの方法。ゴリ押しと言われようが、とにかく目立ってナンボの世界ですから、その勢いに乗っかりたいのは、ごく自然なことなのかもしれません。  そこで毎日のように目にするのが、いまや国民的ダンス・ボーカルユニットとなったEXILE。2015年には系列グループに所属する登坂広臣が8社のCMに出演しましたが、今年に入ってもその勢いは増すばかり。

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 なのですが、このEXILE界隈の人たちが出演するCMを観ていると、あることに気が付きます。それは、ブランドや商品そっちのけで、ほとんど彼らのPVになっているという点です。論より証拠ということで、いくつか見てみましょう。  まず、グリコのポッキー。「シェアハピ」というキャッチコピーのもと、小林直己、岩田剛典、登坂広臣の3人が踊るのですが、その様子があまりにもポッキーっぽくないのです。新垣結衣のポッキーダンスとは180度異なる、ワルなたたずまい。三代目何とかブラザーズのただならぬ気合が、ポッキーを圧倒してしまっている様子がうかがえます。 ⇒【YouTube】ポッキー「シェアハピダンス」篇 グリコCM http://youtu.be/neRF0Fy9Acw http://youtu.be/neRF0Fy9Acw  この“ただならぬ気合”が、ただならぬ形で爆発しているのが、アパマンショップの企業CM「未来を掴む」篇です。全身ゴールドの衣装に身を包んだEXILEの面々が野獣のような眼つきでパフォーマンスを繰り広げた後に、落ち着いてお部屋探しをする気にはなれません。日当たりとか、角部屋とか、ヘタなことは要求できない雰囲気です。 ⇒【YouTube】アパマンショップCM EXILE「未来を掴む」篇 http://youtu.be/S5kcUrbflwE http://youtu.be/S5kcUrbflwE  それでも、ポッキーでは指に挟んで食べさせる振り付けがあったり、アパマンショップには、企業のやる気とEXILEグループの気迫をかけ合わせたいという意図のようなものは感じられました。  しかし、エースコックのスーパーカップに至っては、ラーメンは完全に添え物以下になってしまいます。まず大写しになるのが、斜め上を見つめる登坂広臣の顔。暗い地下室のような部屋に置かれたソファに腰かけ、流れる音楽はやたらムーディーなバラード。まずこのような状況で、かやくとスープの袋を取り分けることが想像しづらい。  その後、スーパーカップの内容物が登場するのは、ほんの一瞬。もぐもぐと口を動かす登坂は確認できても、スーパーカップをすするシーンは1秒たりとも流れない。ここまでカップラーメンの存在を無視したカップラーメンのCMが、かつてあったでしょうか。 ⇒【YouTube】【エースコック】スーパーカップ1.5倍 TVCM「ギョーザパンチ秘密部屋」篇 http://youtu.be/w2TiR3p2PkU http://youtu.be/w2TiR3p2PkU ⇒【YouTube】EXILE 「Ki・mi・ni・mu・chu」(きみにむちゅう)by ザ・モルツ #キミニムチュー #ザ・モルツ http://youtu.be/oVH8BHU6Q_0 http://youtu.be/oVH8BHU6Q_0 ⇒【YouTube】TVCM 「岩田剛典 フレッシャーズ」篇 15秒 | 洋服の青山 公式チャンネル http://youtu.be/wtrKEAAsGaA http://youtu.be/wtrKEAAsGaA  というわけで、今後もEXILEにはCM界で暴れまわってほしいと期待してしまうのでした。 <TEXT/沢渡風太>
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