ランチは88円のパン。親を養う20代女性のツラすぎる日々
昨今、問題になっている「女性の貧困」。単身女性の約3人に1人が貧困状態だという統計もあるが、どのように貧困に沈んでしまうのか――。当事者を取材してみた。
<西川真里さん(仮名・26歳)
アルバイト、月収20万円>
リーマン・ショックが起きた’08年。西川さんの父親が経営する会社も立ち行かなくなり、倒産。父親は自殺した。母親はショックのあまり体を壊して働けなくなり、西川さんのWワーク生活が始まった。
「朝7時からスーパーのレジ、昼から夜9時までは量販店で働いています。それでも月収は20万ほど。給料はすべて家に入れて母親が管理してます。月5万円の小遣いをもらってますけど、交通費や食費に充てると2万~3万円しか残りませんね」
現在はマンションを引き払い、母親と1DKの部屋に住んでいる。
「同僚たちはお昼にランチを食べに行っているのに、私は割引になった88円の惣菜パン一つを休憩室で食べています。ランチに1000円なんて絶対にかけられませんよ」
スーパー勤務のため、売れ残ったパンや総菜が安く手に入るのが唯一の救い。若くオシャレもしたい年頃だが、洋服は「しまむら」や「GU」といった格安店、化粧品はドラッグストアの安物を愛用している。
時給のいいキャバクラの面接を受けに行ったこともあったが、送りの車代がかかると聞いて諦めた。さらに昨年、婚約していた恋人と別れた原因もカネだった。貯めていた結婚資金を、彼氏が親の借金の返済に充ててしまったのだ。
「彼の家も苦しかったんだろうし、あまり責められなかったけど……普通の幸せが一番難しいんですね」
母親の分までほぼ休みなく働いている彼女だが、最近は母親の体調も回復し、少しずつ働きに出られるようになったそうだ。
「一人暮らしをすれば、収入を全部自分のためだけに使えるのですが、母を一人にはできません。でもいつかは、親やお金のしがらみのない生活をしてみたいです」
彼女がそれを手にできるのは、果たしていつになるのか。
★真里さんの希望する未来
お見合いでもいいから、結婚・出産して平凡に暮らす
― 女性の貧困化、知られざる実態【2】 ―