「コーディネートバトン」などファッション系のバトンリレーのなかでも、より参加するハードルが高いのが「着物バトン」です。普段着の「コーディネートバトン」は、どのブランドのアイテムをどうコーデするかを説明するというシンプルな趣旨で、「今度、この組み合わせやってみよう」と思うのですが、
着物バトンに関しては他人の写真を見ても、再現度がほぼゼロです。
着物バトンなのに着物より顔メインの人が多く、ちゃんと全身がわかる写真を見つけるのに苦労します。さらに、「母に仕立ててもらった」「いくつかあるうちの一枚」「人間国宝の〇〇さんの作品」「この着物を着て観劇に行きます」など、ただ着物姿の写真を見ているだけなのに、なぜかマウントをとられているような切ない気持ちになります。
料理・ファッションと並んで目をひくのが、「美容」系のバトンリレーです。芸能人からインスタグラマー・読者モデル・業者など様々な人が入ってくる企画のため、参加者が多いのも納得ですが、このバトンリレーを見ていると、投稿者の美を保つ努力に脱帽して疲れてしまいます。
「愛すべき名品」のような素敵なタグとともに、さらりと紹介された美容家電やケア商品はかなり高額なものが多く、彼女たちのケア方法を参考にするためには、まずお金が必要ということがわかり、心が折れそうになります。また、芸能人ではない一般人が美容リレーをしていることに対し、「どこに需要があるのだろう」と意地悪な気持ちになります。こちらも、リレー形式ではなくシンプルに「#ケア方法を紹介する」ではダメなのでしょうか。
たくさんの企画があり、実際に参加している企画も中にはあるかもしれません。まわってきたバトンに楽しく乗れば、自宅時間も充実しますよね。一方で「この企画の意味は……?」「疲れた」などと思った時は、岩井のように思いきって止めてしまうのも一つの方法かもしれません。
<文/臥薪嘗たろう>
【臥薪嘗たろう】
フリーライター。映画、テレビ、芸能記事多め。趣味はガーデニング。