コロナ不況に備えて、見直すべき“家計の固定費”とは?保険、ローン、通信費…
新型コロナウイルスは、経済にも大ダメージを与えています。みなさんもひしひしと実感していると思いますが、なかでも気になるのは家計への影響。ファイナンシャルプランナーの西山美紀さんに、今考えておくべきお金との向き合い方を聞きました。
コロナ禍では、さまざまな人たちの働き方にも変化がみられました。いまだ余波が続くなか、この先も家計への影響は続く可能性があると西山さんは指摘します。
「ここ数か月、コロナを理由にした収入面での影響は業種ごとに大きく3つに分けられると考えられます。テレワークに移行しても収入が変わらなかった業種、医療や運送業など需要が高まった業種と、飲食・サービス系など営業自粛を求められてきた業種です。
これまでも家計をきちんと管理していた世帯は変化に対応できるかもしれませんが、そうではなく、収入が減った世帯や今後収入が減る可能性がある世帯は住宅ローンや月々の保険料など、毎月かかる固定費に家計が圧迫される可能性も考慮しておくべきです」
経済の悪化は時間差で影響を及ぼす可能性もあり、今年の冬や来夏のボーナスが減らされるなど「長い目でリスクに備える」という意識も必要です。
なるべく外出自粛するようにいまだ求められる中、空いた時間で家計について考えるのも必要と西山さんは話します。
「さまざまなパターンが想定されますが、例えば、住宅ローンなどの返済をボーナスに大きく頼っていた家庭は要注意。ボーナス返済分をあらかじめ貯蓄しておく必要があるでしょう。また、今後はいっそう『必要なものをみきわめて無駄づかいはしない』という意識が大切で、今はまさに、家計の配分を見直すべき時期ともいえます」
具体的には、どのように家計の配分を見直したらいいのでしょうか。
「例えば、月々の保険料については契約内容を再確認し、必要最低限のものだけに絞るほか、電気代の削減もアンペアなど契約内容を見直して、場合によっては安い電力会社に乗り換えるなども、対策として考えられます。
また、新しくローンを組むにも今は慎重になるべき時期です。『今後収入が下がってしまったら』とリスクを考慮して、本当に必要なものかをしっかり吟味した上で、住宅以外の買い物の場合はローンを組まずに一括で買えるかを検討しましょう」
アフターコロナに備えて、コロナ禍での経験を「教訓として持っておくべき」と西山さん。家族そろって話し合うなど、この時期に家計に対する共通認識を、いま一度見直してみるのも大切です。
※西山さんの話を参考に、見直せるかもしれない固定費の例を、編集部が考えてみました。
・今入っている生命保険や医療保険は本当に必要か?
・スマホの契約プランを安くできないか? ムダなギガ数や通話プラン、ムダなオプションなどを見直す
・格安SIMに乗り換えられないか?
・家の通信費(Wifiやモバイルルーターなど)を今より安いものにできないか?
・あまり使わないサブスク(動画配信や月額制アプリなど)や、あまり通わないジムなどをやめる
・今の家賃は今後払っていけるか? 不安なら引越しも視野に
・新たなローンやリボ払いなどで物を買わない、ボーナス払いを設定しない。
たまにしか使わないものは、買わずにレンタルやシェアですませられないか考える(自家用車、ブランドバッグ、旅行用品etc.)
・電気やガスの契約プランを見直す。照明をLEDにするなど光熱費を安くできないか?
・子供や自分の習いごとは、本当に必要か?などなど…
<取材・文/カネコシュウヘイ>